この世界で二人は

寝転んでいる岸澤「ねぇ、高峰。このまま二人しかいなかったらどうする? こうして駄弁っていくだけで、いつか突然に終わるかもしれないこの世界で、あっけなく終わるのかな?」

仰向けの高峰「そうですね。少なくとも観測者がいなくなったら、僕たちの存在はいないのも同然ですね」

疑問に思う岸澤「観測者?」

答える高峰「そう、観測者。仮にこの世界を生み出したのを『神』として、その『神』がこのモノクロの世界を生み出した。そのモノクロの世界で僕と岸澤さんがいて、それの様子を見ている人達がいるのだと、考えている」

再び疑問に思う岸澤「根拠はあるの?」

とあるところを指し示す高峰「そこに『神』しか見れない世界が在るんだ。そこには数字がある。記号もある。そこから推測したんだ」

驚く岸澤「どうやって見たのよ?」

観測したという高峰「こうして文字化していないときに行ってきたんだ。ここは文字化したら行動は決定づけられるみたいんだが、逆に文字化していなければ、ありとあらゆることができる可能性を残すことができるんだ」

理系の話かと頭を抱える岸澤「まるで観測されたら確定して、それまではしていないようなこと、たしか、シュレディンガーの猫だったかな? そんな話みたいね」

同意の高峰「確かにね」

〜続く〜

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る