「それに真衣ちゃんと付き合ってからも、私と利音はたまに会っていた。

利音の話で彼女が合宿教習に行くって言っていたのを私、聞き逃さなかった」

一呼吸置いて優樹菜ちゃんは続けた。

「SNSで真衣ちゃんの情報は把握していた。あの指輪を頻繁につけていたことも。

誰にも邪魔されずに私の指輪をこの合宿で奪い返せるって思った。ラッキーなことに真衣ちゃんはトランプとかをする時はカードが指輪に擦れるのが嫌だからと外していた。

これはチャンスだと思った」

「それであの日に決行したのね」

　コーヒを一口飲み、私は静かに言った。

「でも、私、この計画をやめようか一瞬迷った時があったの。礼央くんが利音の弟って気がついた時に」

「ええっ⁈」

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