第17話:ワタシモノ

ちょうど喫茶店があったので、私と優樹菜ちゃんはその店にはいった。

席に着くと店員が水とメニュー表を手渡した。

コーヒー二つお願いします、私はそう店員に伝えた。


「で、どうして指輪を盗ってしまったの」

泣いている優樹菜ちゃんにティッシュを渡しながら私は尋ねた。


「あの指輪は本当は私がもらうはずだった物なの」

 ティッシュで涙を拭いながら、優樹菜ちゃんが言った。


「えっ? どういうこと?」

 真衣ちゃんと優樹菜ちゃんは私たちと同じように合宿所で初対面だったはずだ。

「私、実は真衣ちゃんがこの合宿に参加するのを知ってて来たの。もちろん真衣ちゃんは私の存在は知らない。私、 真衣ちゃんの彼氏と付き合っていたの」


 コーヒーが運ばれてきた。

店員は不思議そうな顔をしながらコーヒーを私たちの机に置き、置いてあったメニュー表を持ってその場を去った。

 

想像していなかった優樹菜ちゃんの話に驚きを隠せない。

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