第2話

少しばかりの恐ろしさを感じ、手鏡を伏せた。



なんだ、今のは。


シミのクセに自我があるというのか。


ハーイとネイティブな英語で挨拶をしてきたのに、次の瞬間、自分の名前の後にここら辺の方言ぶっ込んできたではないか。

シミーだに!と。


というか、シミーってそもそも名前だったのか。


粋な名前を名乗ってくるなあ。


待てよ。

そもそもがおかしい。


シミがしゃべった!





恐ろしくなったわたしは、街のデパートのコスメカウンターへと走った。



「聴いてください、美容部員さん。シミがしゃべったんです」



「え」

と、最初は怪しいものを見る目でわたしを見ていた美容部員さん。


詳しく話を聴いてもらった。



「そうなんですね。シミがこれからよろしくと言ったのですね。怖いですねぇ。今日はしっかりシミ予防のお手入れを覚えて帰りましょう」


しっかりシミ予防のお手入れを頭に叩き込み、手に覚えさせた。


クレンジングは、わたしの肌に適しているのはクリームタイプのクレンジングだそうだ。

やさしめのクレンジング料だが、わたしは今までオイルクレンジングで強力に肌に負担をかけてきたようだ。

落とす力が強めであるのに、さらにわたしはゴシゴシと強い力で洗っていた。

それがシミーを作り出す原因の一つだという。



洗顔料はクレンジングと同じラインのものにした。

しっかりと泡立て、撫でるように洗うと良いそうだ。


化粧水、乳液は美白に効果があると国から認められた成分を配合されたものを使う。


化粧品は人によって合う合わないがあるそう。


わたしは同じラインのものをクリームから取り入れて、乳液、化粧水、洗顔・クレンジングと徐々に切り替えた。


一般的にはクリームが一番、肌に与える影響が緩和だということだ。


そのため、クリームから徐々に試した。

どうやらわたしの肌に合っているようだ。


トラブルが出ていないのが、決め手だった。



しかし、それを使い始めてから一ヶ月も経たず、そいつは現れた。

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