半年で体重6kgぐらい減った僕の『しない』ダイエットは
おととい体重計に乗った。
半年前から体重が6キロ減っていたぞ。ヒャッホー。
ちなみに一年前と比べるとさらに減ってる。イヤッホー。
オイこらやめろ元体重を想像するな。
なぜに色々と続かない僕が体重を減らせたか。
『しないダイエット』をしたからだ。ううん、変な日本語。
ほらこう……ダイエットするぞォーってなると、人間なんかしようとする。実際、僕もしていた。新しい事をいろいろ始めていた。もちろん『しないダイエット』による苦痛はある。認める。ああ認めるともさ。ラクなだけの話はさすがにない。
しかし意外にだ。
自堕落な性格であればあるほど、慣れてしまえば。
『しなくなったことを再度しはじめる』のがメンドくさい。元に戻るのが億劫になる。実際ボクが面倒になっている。
面倒くさがりは、痩せる才能だ!
・さあ、何かをするな! しないダイエット第一条『筋トレはしない!』
えっ何言い出すんだコイツ、した方がいいだろ。と思うかい。
いや大マジだ。
まさに去年の何月からだったか3カ月間、僕はジムのパーソナルトレーニングを受けていた。それプラス、自主で筋トレしてた。合わせて平均で週2回弱ぐらいか。
流石にまあまあガッシリした。肩幅が広がりすぎて、シャツはXLでないと窮屈になった。ムダに服代かかって泣いた。お気に入りのTシャツが着られない。
でさぁー。
誰だよ。どこの誰だよ。筋肉付けば代謝が良くなって、食っても大丈夫!
……みたいな雰囲気の都市伝説を流布したのは。大罪人だよ。
何かトレーナーが言うには微々たるもので、筋肉15キロでおにぎり一個分くらい、らしい。筋肉アーマー15キロ装備して、やっとおにぎり一個!
しかも筋肉にたいする脂肪の量と言うのは個人差がある。筋肉付けた分だけ、脂肪も一緒に付く。食うものにもよるけど、これは避けられない。
なぁ……萎えないか? この話。
筋肉アーマーを維持するために、週に何時間も必要だぞ。疲れてても眠くても寒くても暑くても定期的にトレーニング。その上で、カロリー計算して高タンパク食生活を維持するのだぞ。
そして! ついにシックスパックが浮き出るボディを手に入れたァ!
ところが消費カロリーはランチパックふたつみっつでチャラだ。
うん、分かる。分かるよ。
コレは、筋肉の代謝だけのカロリーだ。トレーニングで消費するカロリーを考えてない。それに運動は楽しいよ。でもボディメイクとなると、合わせて有酸素運動もするよね。ランニングなり水泳なり……まあ何でもいいがさらに時間を費やす。
それからやっと成る。いくらでも美味しいもん食べればいいじゃないか。食べたいもの存分に食えば、ええやないか。とやっとの事でなれる。
ハイ無理。遠いよ。他の奴は知らん。俺はできませんでした。トレーニング自体は、今もたまにする。楽しみで追い込める分には。スッキリするし、昼寝が心地よい。
このダイエットすごくラクだぞ。筋トレしないだけ。ただ、しないだけ。筋肉落ちたのは、やっぱり悲しかったよ。落ちた体重のうち幾分は、筋肉の重量だ。
けど、欲しくなったらまた筋肉つけりゃいいんだからさ。あなたの運動経験とマッスルメモリーを信じよう。
ハイ次。
・つぎは難易度が低いハズ。しないダイエット第二条『大盛りはしない!』
大盛り。ああ、大盛り。なんとステキな文化であろうか。
無料から数百円で、盛ってくれる。麺やら、コメやら盛ってくれる。
僕の大好きな中華料理店、ホニャララ楼の絶品、海鮮炒飯も盛ってくれる。増えた分、中華鍋を振るの疲れないか! それを二百円で盛ってくれる。
もう素晴らしいのなんの。しかし諸賢、これを習慣でやってないか。あるいはパートナーが注文するとき、なんとなくの大盛りを許していないか。
これも『しない』。
分かる、分かるのだよ。痛いほどに。大盛、やめたくない。俺なんか福岡生まれで替え玉するのがデフォルトだった。腹いっぱいに小麦を詰め込むのが常識だった。なんせ小中高ずうっと、そうしてきたから。習慣は意識しないと変らない。
『熱いスープが残ってるのに替え玉しないのは神聖なる長浜ラーメンへの冒涜である。奴らを生かすな。石をくくってキャナルに沈めろ。都市高速に吊るし上げろ』
ぐらいのカエダマ絶対主義者だった。その俺でさえ慣れた。まぁちょっと騙されたと思って〝大盛りしない。替え玉しない〟コレをしてみてくれ。なんかね、すぐ慣れるから。しばらく騙されたと思って、身も心も私に任せたまえよ。
ホントに、早い人なら三回目ぐらいだよ。
「普通盛でも、結構お腹ふくれるな! 満足感ある!」
って感じるから。
特に昼ご飯。食いすぎると夕飯が遅くなって、良いことがない。
で、夕飯遅くなるとね。けっこう起きて遊んでしまうだろう。そうなると……魔の時間帯に入るだろう。あの、お腹すいてないハズなのに、娯楽のオトモになんか食べれてしまう魔の時間帯。なんか、オヤツつまんじゃうよね。ちょいと。アレ怖いよね。大体、後悔する間食は、昼よりも夜やっちゃうヤツだよ。
そういう副次効果もある。普通盛で行こう。
・次のしないダイエット! 第三条は『米を炊くな!』
いやいや、食う分は炊いてもいいのだぞ。
今日の晩飯とか、明日の朝食とか確定しているものは当然炊く。しかし、なんとなーく炊くのはダメだ。もうタイマー設定以外、炊かない。しない。それだけだ。なんとなく、の気持ちはすごく分かる。安心感ある。
僕も休日とか、
「今日と明日、朝昼に食うもん決まってねーんだよな。カネかけるつもりもないんだよな。むしろ家を出るの面倒。……一応メシだけ炊いとくか」
みたいな感じで2合とか、なんとなくで炊いていた。これ〝しない〟。
後回しにしよう。ラクだろ後回し。むしろ後回し、得意な人まで居るだろ。炊くのは空腹の気配がきてからでいいのだ。もう後回しにしちゃおう。
だって昨今の炊飯ジャー、お仕事が早いじゃん。
早炊きなら、洗濯機のお急ぎコースよりも仕事が早いじゃん。
腹減ってから炊いてもストレスない。今すぐ食わなきゃたまらない状況なら、冷凍庫のヤツを解凍するかパックご飯をレンチンすればいい。でも、思うほどそんな状況ないって。来ないよ、そんなに切迫してる食欲さんは。むしろ従っちゃいけない種類の食欲さんだよそれは。
ジャーのスイッチ入れてホットモットでおかず買って帰ってきたら、丁度炊き立てだし、おかげで豚汁も美味しい。ぐらいでちょうどいいって。
そして炊くのは一合ずつ。一人一合。丼ものは仕方ないな。その場合は1.5までアリにしよう。
一人当たり2合以上炊いていいのはお子さんの居るご家庭かスポーツマンか、動く仕事の人だ。成長や回復に充てなければならないエネルギーはどうしてもある。
そうでなければ、結局余るパターンが多くないか。半端に残したくなくて、つい全部お茶碗に盛っちゃうとき、俺ちょくちょくあるぞ。
余る、冷凍する、忘れ去る、そして炊く……ループないか。俺がダラシナイだけか。
ま、まあともかく。よくよく考えたら炊かなくていいタイミングでも結構炊いちゃってる?
そんな時あると思う。多分ね。きっとね。ちょっと自信なくなってきたけど。一合ずつで十分と言うのも、大盛り不要理論と同じなのだ。すぐ慣れる。
人間の適応力を信じろ。
ラストは上級編だ。
しないダイエット奥義『ランチはしない!』
ウワァ極端だ! これは偏っている。ゆえに奥義とする。
これは、結構な〝しない〟だと思う。やはり、身体を動かす人はマネしないでくれ。エネルギー足らん。
なんでこうなったか。僕はオシゴト昼休み後の眠気が大嫌いだった。朝食から、6時間ぐらいが頭の働くゴールデンタイムだと思う。その合間の休憩は人それぞれ回復法があるだろう。プチ仮眠とか。
ともあれゴールデンタイムに昼ご飯マンプクに食べて眠くなるとかもう、何やってるか分からんのだ。自ら自分のスペック落としに行くとか。仕事が楽しくない。爽快感あってのお仕事だと思うの。やったできたァ、次どいつだ! って。
お昼にラーメンとか、おうどんとかおにぎりとか弁当とか、眠くなるよなー。職場の近く、そんなのしかなくて。
そこで僕は、眠くならないラインを日々テストすることにした。そして、あまり嬉しくない結果になった。どうも、糖分エネルギーメインだと200から300キロカロリーくらい。前日の睡眠時間に左右されるが、これが眠気の出るラインだ。試しにプロテインバーなどにしてみたが、あまり変わらない。やっぱ、胃に血液が集まるとダメなのだろうか?
しかしこれ、ちょっとキツイ事実だ。
かけうどん一玉を食べれば、眠くなってしまう計算だ。かけうどんってオイ。
むしろわびしいだろ。せめて月見わかめうどんぐらいにしたい。ましてラーメンなんぞあっさり眠気発生ライン一撃オーバー。おにぎりでも一個半。つまりは一個かよ。さみしい。
(じゃあさ、食わなきゃいいじゃん!)
と、この極端マンは考えた。そして、ゼリーで180キロカロリー前後のヤツを見つけたので試す。おお、眠くならない!
もう既にここで十分に極端なのだが俺の探求は続く。まだ問題があった。困ったことに夕方くらいで、燃料切れがくる。しかし甘いものがさほど好きでもない。オヤツでちょい補給、というのが自然にできない。
女子がやっているたまーに菓子つまみつつ仕事、アレは非常に合理的なんだね……。
しかたないので100カロリー少しのビタミンゼリーを昼に食べ、息切れしてきたらもう1パック食べる(飲む?)事にした。さらにペットボトル一本90キロカロリーくらいのコーヒーをチビチビ飲みつつ、一方でほうじ茶も飲む。カフェインだけだと、脳が水分切れ起こすからね!
完璧だ。晴れて俺は、少なくとも定時まで眠気なく頭が回転するスタイルにたどり着いた。しかもビタミンもそれなりに取れる。
そうだァ! ランチなんぞ不要だったのだァ!
……とはいえね。とても大事なものを無視しているよね。食事と言うのは友人や、同僚や上司と選んで話して味わってさぁ。それは生活の潤いでもあるよ。うん。そういうのはこのスタイルだと皆無。
流石に飲みの席でツッコマれたよ。理由を聞かれた。
「アキシマくんがお昼になにか食べてるトコみたことないが」
「そうだよね」
となったので仕方なく、正直に話した。
もちろん反応は?
『満面の苦笑い』である!
あいたたた。やめろ、効くから。変な自覚あるのですごい効く。
しかしだね、体調が良くてゼリーの追加投入がなければ。昼から晩飯まで300キロカロリーで済むのだからな。机にベッタリではなく、それなりにオフィス内歩き回るのでジワジワ痩せるよ。ついでにお昼は四百円で済む。
なのでグリーンな雰囲気のビールとたまにちょっと良いオツマミ買っちゃう。
あ、これしなければもっと痩せるか……。
「ただの炭水化物ダイエットじゃねーか!」
と思うかい。ちょっと違うぞ。キャベツの千切りをゴハン替わりだとか白米型コンニャク製品で水増しとか、ほか一切「新しいことを始めろ」と言ってない。一合ずつ炊けとは言ったけど、足りなければ二合でもいい。おかわりするなら、そのたびに炊飯だ。
さすがに最後のだけはやってる僕でさえ苦笑するので、奥義とするけど。
しないでみる、きっと面白いよ。
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