第3話 修行開始
次の日からボクの修業は始まった。
「まずは魔力を感じることからやっていこう。目を閉じ、意識を自分の内にある魔力に集中するんだ。」
言われたとおりにやってみた。
なにかが心臓のあたりから血液のように全身に流れているのを感じる
「何か感じたみたいだな。その体を流れるもの、それが魔力だ」
これが魔力。
日本にいたときはこんなの感じたことがなかったな。
やっぱりここは異世界なんだ。
「つぎに自分のイメージを音楽にのせて魔力を解き放つんだ。昨日アリアが使ったみたいにただ風を引き起こす魔法ならそこまでではないが、難しい魔法を使う場合はそのぶん音楽は複雑化し魔力消費も多くなるから気をつけろよ」
なるほど魔法を奏でるって感じかな。
ボクはイメージを思い浮かべ、魔力を勢いよく解き放った。
あたりにはトランペットとドラム、ベース、ピアノの軽快な音色が響いた。
それとともに夜にもかかわらずあたりが昼間のように明るくなり、気が付くとボクは空に浮かぶ島の上にいた。
しかし、そこでボクの体から一気に力が抜け落ちた。
そこで音楽は止まり、魔法は切れ、元の草むらの上に倒れた。
???いったい何が起きたんだ。
倒れたボクのところに師匠とアリアが駆け寄っていきた。
「大丈夫か⁉」「大丈夫ですか⁉」
体に力が入らないけど口は動かせそうだ。
「何が起きたんですか?」
「魔力切れだよ。必要以上の魔力を使用したから体の中の魔力がなくなったんだ。すまんすまん、この可能性を説明することをすっかり忘れていた」
なるほど、魔力を使いすぎるとこうなっちゃうんだ。気を付けないと。
「それにしてもまさか一回で魔法度使えるとはな。アリアは何度もやってようやく使えるようになったってのに」
師匠の発言にアリアは顔を赤くした。
「師匠!今、その話は関係ないじゃないですか。でも、本当にすごいですね!何かやっていたんですか?」
「え?ああ、何かやっていたというか、もともと音楽は好きだったからかな?」
アリアは「なるほど」とうなずいた。
「だからあんなに早く魔法が使えるようになったんですね!」
そうなのかな?
そのとき師匠が「そうだ」と口を開いた。
「カナデ、もし望むのならだが、王立グラツィオーソ学園の入学試験を受ける気はないか?」
?王立グラツィオーソ学園?どこなんだろう?
「王立グラツィオーソ学園は魔曲師を志すひとたちが入学する学校のことです。魔曲師の登竜門的な学校で、この学校の卒業生には歴史に名を遺す魔曲師がおおくいるんですよ」
魔曲師育成学校ってことか。ファンタジーだなぁ。
「もともとアリアが受験する予定だったんだが、カナデは筋がよさそうだし少し練習したら十分ついていけるだろうが。どうする?」
魔曲師を目指すって決めたわけだからここは・・・
「入学したいです、師匠」
ボクの返事を聞いた師匠はにかっとわらった。
「了解した。入学には試験を受ける必要があるが、まあその辺の手続きは負かせとけ。アリアと一緒にがんばれよ!」
こうしてボクの王立グラツィオーソ学園の入学試験を受けることになった。
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