辺境男爵家の次男に転生した俺〜前世は何もかも上手くいかなかったから、今世は自力チートで異世界を謳歌する〜

ムンク

第1話

 思い返せば俺の人生に良かったと思える出来事があっただろうか?



 親からは虐待を受け続けてきたし、学校でも虐められた。 地元にいるのが嫌になり遠い場所で就職した、そこで初めての彼女が出来て結婚も視野に入れていたのに、俺が勤める会社の上司と浮気してやがった。


 浮気中に凸して尻軽女とクソ上司を殴り殺してやった。 警察は事件現場みて絶句してたなぁ、男女2人は裸の死体で俺は血まみれの状況を見て察したんだろう。


 尻軽女の両親には『後悔は全くしてない』って言ったら睨まれた。 8年間獄中で過ごし出所してから少しした頃、背中からぶっすり刺された。

 意識が遠のく中チラッと顔を見たら、尻軽女の父親だった。


 俺はむしろ感謝した。

 良いことなんて1つも無かった俺の人生を、終わらせてくれた人に俺は感謝の意味を込めて笑ってやった。

 般若の顔で睨まれたけど知ったことか。




 ◆ ◆ ◆




 気づけば俺は真っ白な空間にいた。



 自分の体を確認しようとするが、まず体が無い・・・どういうこっちゃ?


「哀れな魂よ、何故人を殺した?」


「あんた誰だよ·····いや、この状況的に神様ってところか?」


 この手の小説や漫画は趣味で沢山読んだ、たぶん予想は当たってるだろう。


「何故殺したって言われてもな·····気づいたら殺してたよ、もうどうでも良くなったからな」


「お主には異世界に転生してもらう手筈じゃった、殺してなければ様々な力を与えていたんじゃがな」


 所謂チートってやつですかい、確かに欲しかったかもな・・・まあ殺した事は後悔してないし、自分で力つけるしかないだろう、どうせ魔物とかいるんだろうし。


「今度は暖かい家庭に転生することになる、大事にするんじゃな」


「まあ暖かい家庭ってのがどんな感じか知らんけど、良い家に生まれるのはありがたいな」


「お主がどの様な生を歩むのか見届けよう、特に使命もないが幸せになりなさい」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る