婚約破棄された私は幸せになりました

白雪の雫

第1話






 私、マカロン=ビターショコラと申します。


 スイーツカフェ王国のビターショコラ公爵と、チリペッパー王国の王女を母に持つ公爵令嬢です。


 そんな私には国王と、陛下に見初められた事で男爵令嬢から二番目の王妃となったマシュマロ殿の命令で決められてしまったディックという婚約者が居るのですが、この人・・・顔は良いのですけど無類の女好きなのですよね~。


 女好きであっても仕事が出来て自分の女遊びをする分を稼げる人であれば、婚姻後も妾を持つ事を認めようとしていましたの。


 一応、第二王子ですし?


 何と言ってもこの人ディックの事が大嫌いですから!!!


 それでも親しくなろうと努力したのですよ?


 ですが・・・・・・この人、クズ+ゲス+パワハラ+モラハラ+ギャンブル狂いという人間として生きている価値がないのですよ。


 だけど国王と二番目の王妃にとってディック王子は目に入れても痛くない可愛い息子。


 対してマシュマロ殿を妃に迎える為だけに離縁したカカオ王国の王女を母に持つ王太子殿下は頭脳明晰で容姿端麗。


 しかも武芸に秀でているしお妃様一筋という立派な殿方ですのに・・・。


 王太子殿下と第二王子・・・


 どうしてここまで差が出たのでしょうか?


 本人の資質でしょうか?


 過去に己の研鑽をしてきたかどうかの差でしょうか?


 それはともかく・・・ディック王子が無能である事を知っているお二方は、私と婚姻を結びビターショコラ家の婿養子にするようにと命じたのです。






『女の癖に出しゃばるな!!!』


『私のツケを払わないだと!?それは婚約者であるお前の役目ではないか!!お前は私の財布なのだから今すぎ払わぬか!!!』


『女の癖に手柄を立てるなど何事だ!分を弁えろ!!!』


『公爵令嬢の分際で私より目立つな!!!』






 婚約者からのモラハラ攻撃でストレスフルな毎日を送っている私ですが、それもある目的を果たすまでの我慢です。


 そんなある日、ディック王子が私に対して宣ったのです。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る