――世界が輝いて見えた。

「虹が、ひび割れるとかそんな馬鹿な」

虹のかけらを拾ったところから始まります。

中盤で、

「――世界が輝いて見えた。」

この一行にたどりついたとき、私は涙しました。

そのうつくしい情景が、私にも見えたからです。

絵本にしたい!けれど絵本にしたくない!

物語は後半、美しいマジックリアリズムへとうつっていき、きれいに終わりを迎えるのですが、その煌きは確かにこの身にかけらを残していってくれました。

素晴らしいものを読んだ。

すなおにそう思える。


よかったです。

ありがとうございました。