暗い窓

小さなモノクロ写真には


巨大な団地と工場群

間を分かつ黒い河

雨のそぼ降る大きな橋

点々の黒い人影

永遠へ続く鈍色の空


無数の四角い窓に

人の気配は感じない


けれどもそこには

人が住み

家族が集い

食べ物の匂いがしているはずだ

無機質なただの穴に

見えたとしても


写真の中に入ってゆけば

美しくないものが

味わい深いものに変化する

生きている命を感じると

暗い窓々も愛おしくなる


想像する力は

見知らぬ街を破壊したりはしない


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16818023214177113520

https://www.youtube.com/watch?v=oGlhjqvSuWs

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る