2月

青ばかりの

砂漠から吹く砂混じりの風は

街の露店に並べられた

瑠璃色の宝石に触れて屈折し

違う青を生む


黒橡くろつるばみのアバヤの女の

白い指がつまんだ宝石は

瑠璃紺に変化して

ニカブの奥の瞳と同じ色になる


路地は異国の匂いの通り道

賑わいに紛れながら空を仰ぐと

完璧な水色にしばし見惚みとれる


その色はまた

砂漠の向こうにある海の色

幻の波音が空想者を誘う


空の青と海の青

バニラの雲が浮かぶ空

レースの波が寄せる浜

青碧に広がるわたの原


今少しここで遊んでから

帰ることにしようか


時空の船に乗って


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16818023213597315705

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