春になれば

きみが最後の旅に出る日まで

わたしは何ができたのだろうか


繰り返される想念は

白いもやとなって

目の前を漂い

涙の小粒が浮遊する


心の底にたまってゆく

融けないおり

質量を帯びて

重たげに存在し始める


このまま視線を

落としていたら

きみは悲しむだろう

わたしがわたしに囁く


まず水平線を見て

次に空を見上げる

そして深呼吸


澱は澱として

抱えていこう

そのうち何かに

変化するかもしれない


多分

春になれば


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16818023212948707357

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