最高の「人間とアンドロイド」バディ、ここにあり!

 とある危険な惑星への不時着を余儀なくされた外宇宙環境調査員・タナカとノイ。この惑星に生息するモンスターに捕らえられてしまったアンドロイドのノイを、人間であるタナカが救出しようと奮闘する場面から物語は始まります。

 あくまで法に従って人間を優先し、己を見捨てるように笑顔で促すノイと、その「人間を優先するのが当たり前」という常識を良しとせずに頑として拒み、己の身の危険も顧みずに必死でノイを救おうとするタナカ。ノイの合理的な主張にも納得できますが、タナカの非合理的ながら情の深いまっすぐな心にも共感でき、緊迫感のある展開と相まって、読者に強い葛藤を覚えさせます。

 果たしてタナカは、残された時間と限られた弾数で、ノイを助け出すことができるのか――その答えは、ご自分の目で確かめていただくとして。

 物語の一番の見どころはここから。モンスターに呑まれながら、それでも笑っていたノイの本心を知ったとき、胸と眦にじわりと熱いものがこみ上げました。
 これぞ理想の人間×アンドロイドバディと思わせてくれる、爽やかな読後感の最高に素敵な物語。ぜひ、腰を据えてじっくりとお楽しみください。

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