テオの3夜目 人の心は・・・

「そもそも、メンテって何のためにあるんだろう?」

僕はそんなことがなぜか頭にかすった。何でだろう・・・?そうか、僕が今読んでいる「走れメロス」で暴君・ディオニスの

「疑うのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえたちだ。人の心は、あてにならない。人間は、もともと私慾のかたまりさ。信じては、ならぬ。」

なんて言葉があったからだ。最後には、大切なともにあえた様子を見て、さっきのような言葉を発した邪知暴虐の王は改心した。しかし、その王の言い分にもある通り、人間ってただの欲望の塊にしか過ぎないのかもしれない・・・でも、あるマンガでは言ってた。

「人の原動力になるもの、それは心。熱い心を持って、頑張ろう。」って。

人が内面だけで動けるための者、それも心であるってこと。

・・・でも、そもそも、心っていうのは何だろう?心ってどこにあるんだろう?そんな疑問がよぎった。みんなはいい人を装う『仮面』を身にまとっているけど、それって本当にその人なんだろうかって、たまに疑うこともある。また、あの場所で答えを探しに出かけるとしよう。そういえば、あの場所で通りすがりの誰かから聞いたけど、そこではいろんな専門家を呼ぶことができるらしい。その専門家からもアドバイスをもらってくることにしよう。

                  ☾

僕はまた心のコンパへと向かい、スタッフの人にランダムで利用したいと声をかけた。すると、

スタッフ   「では、せっかくなので自分が気になるお部屋を探してみたらどうでしょうか?」

僕はその提案に乗って気になった部屋を1つ決めた。そして、その部屋に入ると・・・

       「ようこそ、私たちの部屋へ。私はユウって言います。」

ソウマ    「よ、テオ。久しぶりだな~!」

テオ     「あ、ソウマさん!っていうか昨日会ったばっかりじゃないですか~!」

ソウマ    「あ、そうだったね~ww」

       「ボクはユウと同い年のユウカっていうよ。よろしくね!」

テオ     「よ、よろしくお願いします!あ、あの、実は僕、分からなくなってきてることがあるんです。よかったら、聞いてくれませんか?」

ソウマ    「お、今回は、どんな話?早く聞かせてよ~」

ユウ     「気になる~どんなことでも話していいからね~」

ユウカ    「ゆっくりで構わないよ~」

テオ     「はい、実は僕、『人の心』を考えるようになりまして。心を強く持てなんて軽くみんな言いますけど、本当にわかって言っているんでしょうか・・・?」

ユウカ    「確かに悩むねぇ~」

ユウ     「確かに永遠の問いかもしれないね。」

ソウマ    「う~ん、確かに考えれば考えるほど分からなくなるね・・・」

テオ     「だから、ここって専門家を呼べるって聞いたんで『心』の専門家だっているはずですよね・・・?」

ユウカ    「つまり、心の専門家も交えてなんか答えをもらおうと・・・?」

テオ     「そうです。なので、その専門家の名前、知っていますか・・・?」

ユウ     「私、知ってる。フリースト先生っていうの。ほら、インターホンで呼んでみて。」

僕は早速

テオ     「もしもし、フリースト先生、こちらまでお願いします。」

しばらくたつと、扉をノックして

フリースト先生「失礼します。私がフリーストって言います。主に心理カウンセラーをしています。私を呼んだのはテオさんですね。初めまして。何でもいいですので話してくださいね。」

フリースト先生は見る感じ、クールだけどやさしさが混ざり合っているような感じだった。夢の中だから緊張を与えないようにするために白衣は着ていないという。

テオ     「はい、実は最近、人の心について考えるようになって、それで自分もよく分からなくなってきちゃって・・・フリースト先生はどのように考えているんですか?」

フリースト先生「そうか。確かに心っていうのは色々解釈ができるけど、私は心っていうのはある意味、『何かを動こうとするために指令するもの』だって考えてるかな?」

ユウカ    「それってつまり、『心=脳』ってことでしょうか?」

フリースト先生「そう。何かを感じたするのも脳、何かに動こうと判断して動くのも脳だしね。まぁ、心理学っていうのは、『行動の化学』なんて言われ方もするけど、実際のところまだまだ分からないことだらけなんだ。でも、知ろうとするって気持ちを大切にして育てていくと、いつかは大きな『成果』っていう木の実が実るんだ。だから、知りたいことはどんどん、自分で調べてみると面白くなるよ~」

テオ     「好奇心を大切にするか・・・」

フリースト先生「せっかくだし、ちょっと簡単な心理テスト、やってみる?」

ユウ     「気になる~」

テオ     「やってみたい!」

ユウカ    「ボクも~!」

ソウマ    「やるやる~!」

フリースト先生「じゃぁ・・・ 『ガシャーンと何かが割れた音がしました。何が割れたと思う?1,ワイングラス 2,瀬戸物の人形』 あ、テオ君、瀬戸物っていうのは焼き物のことだからね。『3,骨董品の花瓶 4,ビールジョッキ』直感で選んでね~」

ユウ     「私は瀬戸物の人形かな・・・?」

ソウマ    「俺はビールジョッキ!」

ユウカ    「ボクはワイングラス。」

テオ     「僕は花瓶かな・・・」

フリースト先生「お、割れたね~じゃぁ、順に言っていくね。この診断では心のデリケートさが分かっちゃうんだ。まず、ユウさんが選んだ『瀬戸物の人形』を選んだ人のデリケート度は、30%!そんなに打たれ弱くはなさそうだから、適度にストレス発散するといいよ。」

ユウ     「確かに、あんまりストレスに負けたことないかも・・・」

フリースト先生「そして、ソウマ君が選んでくれた『ビールジョッキ』を選んだ人のデリケート度は、10%!鋼のメンタルだね~!」

ソウマ    「バレーで鍛え上げられてるのかな・・・?うれしいな~」

フリースト先生「あと、テオ君の『花瓶』は70%!ちょっと弱いかもしれないけど、別に気にしなくてもいいからね~」

テオ     「確かに、結構説教に弱いかも・・・」

フリースト先生「そして『ワイングラス』は・・・100%!かなり弱いかもしれないけど、しっかりリラックスしていくと大丈夫だよ~」

ユウカ    「その通りだな・・・自分、すぐ泣くから・・・」

そう盛り上がってるとお約束のあのときが来た。僕はすぐさま現実へと戻ろうとした。色々聞けて楽しかったな・・・また、フリースト先生に会えるの楽しみだ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る