ロリコン男爵

日々菜 夕

第1話



 あれは、珍しく取引先との話が上手くいって気分よく会社へと向かっていた時だった――


 少し強い風が、道に落ちた桜の花びらを舞い散らしたと思ったら視界が暗転。


 気付いた時は、多数の男女の中の一人として女神ソフィア様を見上げていた。


 正直言って何が起こったのかさっぱりだったが、話を聞いたところ。


 とても困っているのだと言う事は直ぐに理解できた。


 ただ、あまりにも一方的な話であったため反対意見も多く。


 たいていのヤツラは、早々に元の場所に返しやがれと叫んでいた。


 幸か不幸か帰りたい奴は直ぐに元の場所へと返される事となり。


 残った三割程度の者が大きな手鏡みたいな物でどんな能力が有るのか鑑定されていた。


 そして――


 俺は、回復系統のスペシャリストとして主に後方支援をあずかる身になったわけである。


 それから、しばらくの間。


 修練場で修練をつむことになり。


 魔王軍討伐の旅へとおもむくことになる。


 しかし――


 俺の居たパーティーメンバーは、早々に身の安全を優先することにした。


 なぜかって?


 先発部隊が全滅したからである。


 それも、2パーティーも。


 修練の練度や個人の持つ能力によりパーティーメンバーが組まれていたが。


 第一、第二、のメンバーは特に優れた者で構成されていたからだ。


 そんなヤツラが全滅したのに第三部隊の自分達が敵うわけないとリーダーが判断。


 このラックと呼ばれる町を拠点に。


 ザコを狩っては、それなりにやる事やってますアピールするという日々が始まったのである。


 そして勇者特典と呼ばれる割引サービスを利用しては酒場に入り浸っていた。


 そこで得た情報の一つ。


 この世界には、奴隷と言う身分が存在し。


 主人となれば何をしても許されるという事だった。


 そこで、俺は気付いてしまったのだ。


 娼館に行っては性欲を発散させているメンバーみたいに。


 俺も自分好みの奴隷を見つけて性欲を発散させれば毎日がもっと楽しくなるのではないかと!

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