第19話 別視点!え?旅の動機!?
*
僕の名前はカラザー。
「おーい、カルー?」
ほら、こんな風にね。
「どうしたんだ?ビル」
こいつはビルボ。伝説の「祝福の子」らしいがそんな風に見えない。だから皆に敬われなくて、ビルなんて愛称で呼ばれている。
「いやさ、そう言えば何で
ほら、こんな風にいい加減でデリカシーがないから敬われないんだよ。
「はぁ~それ聞く?こんなとこに入るなんて余程の狂信者か、僕みたいに暗い過去を持ってるやつ位だよ?」
「え、あ……ごめん、デリカシーなかったよね。アイリスにも注意されてるのに」
「まあいいよ、僕以外にそんなことするんじゃないぞ」
こうして僕は彼に話し出した。僕の故郷が無くなった理由を。
………
「僕は3年前まで、獣人の街に住んでいたんだ。今となっては、街を名乗るのもおこがましい、すこし大きな村程度の物だったんだけどさ。そこで50人くらいの同族とマトラ……ええと、村長みたいな人に拾われてきた
「多分、今の暮らしの方が豪華なくらいなんだけど、それでも皆幸せに暮らしていたんだ。でもそんなある日、その生活は終わったんだ。スライムの手によってね。」
「スライムっていうと……3日前に討伐したやつかい?」
「いいや、あれは幼体さ。納屋一軒分くらいだったろう?それに人類種を喰ってなかったしさ。あのスライムはその3倍は大きかったし、60人以上喰ってた」
「彼……ええと、皆名前で呼んでなかったからな……あ、そうだ。サウロンだったな。彼を含めた街の戦える人間は皆討伐隊に入っていて、そのまま全滅した。まあ、彼は非戦闘員としてついていったから、逃がされたかもしれないんだけどね。町に残っていたのは20人余りの非戦闘員と子供だけ。当然スライムに敵うはずもなく、生き残ったのはたまたま逃げた先に騎士団がいた僕だけだ。」
「目的はそのスライムへの復讐かい?」
「いいや、魔物種とはそういうものだし、何よりあのスライムは今や
「それより、皆が全滅した場所には呪いの子の物とされる呪力が残っていてね。マトラさん……村長は今の君よりも強かったし、30人もの屈強で魔法も上手い戦士を連れて行ったんだ。
「だから僕は、あいつを殺さなきゃならないんだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます