第20話「正義の執行官」

何かヤバそうな感じの警察官の人が筋肉に

対して処すとか言っている。

えっと?何か独自性の判断で犯罪者の処刑は駄目じゃなかったっけ?

凶悪犯なら抵抗されたら無力化するために

武力行使ならやむを得ず?

明らかにあの警察官の人、処刑する気ありだよね?


「ふむ、正義の執行官、もとい処刑人か」

「我々は市民を守るための武力行使が許可されている、そして、お前は悪人だ、よって」


瞬きをした瞬間、筋肉の真横に警察官の人が

刀を持って踏み込んでいた。


「我が判断により刑を執行する」

「むんっ!」


ガキィンッと金属音が鳴り響き警察官の人は連続で刀を振り抜く、筋肉がそのつど力を入れて身体で受けている。

うっすらとだけど赤い線のようなものが筋肉の身体に増えていく。

ミサイルでも耐えられるって言ってたはずなのに警察官の人、本気でヤバいな。

ガチガチに斬って受けての繰り返し

と言うか警察官の人何かすごく速い、

パパパッといつの間にか死角に移動している

アリスみたいなテレポートじゃあなくて

移動していると言うのがわかる、踏み込んでいる時土煙がたっているからだ。

番長がこっちまで戻って来たのと同時に

さらに激しい攻防が始まる。


「うわあ、すごっ」

「あの人は加速能力者なんだ」

「へえ、じゃあ移動してる時と刀を振る時に

能力を使ってる感じ?」

「そうだな、後は刀を引いた時、だな」

「どう言う事?」

「刀は引いて斬る物なんだ、あの変態野郎の身体は確かに硬いが刀は達人が使えば岩すらも刃零れさせずに断つとか聞いた事ないか?」

「ああー、漫画とかである奴?」

「実際に岩を斬った人があの人だ」

「うへえ、ヤバいな」

「純粋に刀を振るう技術が凄まじいんだよ

そんでだ、あの人は悪人は全て滅ぼすと

考えてる人な」

「お、おおう、かなりのヤバい人だな」


番長からそれを聞いてドン引きした俺

すると、激しい攻防を繰り広げている

二人に変化がおきた。


「さすがに硬いな」

「ふむ、少々ぼくに部が悪いね!」

「大人しくするなら一太刀で首を落としてやるが?」

「ハハハッ!ぼくはまだまだ筋肉を世界に広めたいからそれは無理かな!」


そう言った筋肉がブーメランパンツの中に手を突っ込みゴソゴソしだした。

さすがの警察官の人もその行動に呆気を取られて刀を振るうのが止まる。


「・・・何をしている?」

「おっ、あったあった、と」


スルリとブーメランパンツから出てきたのは

1メートルほどの大きなうちわ、

待って、物理的におかしいから!


「何でそんな所からそんな大きい物が出てくるの!?」

「ハハハッ!疑問はもっともだね!トウッ!」


突然両手でうちわをバサリとしたその時

──筋肉が飛んだ──


「・・・は?」

「・・・チッ、能力付与された道具か!」

「ハハハッ!今日の所はこれで帰らせて貰うよ!ちなみにぼくのパンツの中にはポケットがあってね!空間能力が付与されているんだよ!サイフやケータイも入れられてとても便利だ!」


そう言った後、また会おう!と叫んで

青い空へ飛んで行った。


「・・・・・ええー」

「逃げられたか、おい、学園生共、怪我はないか?」

「あ、はい!助かりました、ありがとうございます!」

「ああ、市民を守るのが仕事だ、周囲の市民から公園に不審者がいると情報が入ったから来て見たのだがまさか、伝道者が居たとは

思いもしていなかったからな」

「あ、あの筋肉の人、有名なんです?」

「まあな、通称伝道者、人をスカウトと言う体で拐い拐われた人はボディビルダーの様になって帰ってくる」

「うわぁ」

「無事に帰っては来るんだ、だが、筋肉の信望者になってしまっているからほぼ別人の様になってしまっている、個人が精神性まで筋肉に染まってしまい知り合いからは変えられてしまった人物は死んだも同様だ」


刀を布で拭って鞘に納めると待機している警官達に一言


「撤収!」


サーッと全員が答えると息を合わせたように

隊列を為して帰っていった。


「・・・ええー?」

「まるで軍隊のようだろ?あれがあの人の指揮する警官隊で別名「決死隊」だ」

「え?何その不穏な名前」

「あの人が自ら鍛え上げだ精鋭達、あの人の命令は絶対的で必ず守るものと教え込まれているあの人が死ねと言えば死ぬ、だから

決死隊、だ」

「・・・うそ?」

「本当なんだよ」

「怖ぁ」

「だよな」


しばらく公園に居るとアリスと凛も落ち着いてきたようで俺に謝ってきた。


「ごめんなさい、真澄君」

「ごめんなさい、真澄」

「いや、別に謝らなくても良いって!」

「でも、後ろに隠れちゃったし」

「気持ち悪いからと真澄を守らずに後ろでしがみついてしまいましたわ」

「まあ、それは人それぞれと言うべきか

怪我も無いし番長も大丈夫だよな?」

「ああ、服が強化した力に耐えられなかったくらいだな」

「では、せめて服を買いにいきましょう!」

「そうだね、僕達に二人の服をえらばせてよ!」

「うん、それくらいなら、なあ?」

「まあ、構わんが」

「じゃあ、行こう!」


急遽、番長の服を買いに行く事となった

アリスと凛は仲良くどんな服にする?とか

このような服が良さそうですわ、とか

道中話しながら相談している。


「・・・オレが着る服を選ぶはずだがあいつらオレに一切意見は聞かないな」

「そうだな、何か俺も一緒にオモチャにされそうな予感がする」


少し前を歩くアリスと凛に嫌な予感を感じながらもついていく俺と番長。

凛がそう言えば、とアリスを見る


「伏義野きゅん?何故、真澄にベンチで膝枕を?あたくし、余りにも自然な感じでするので気が付くのが遅れましたが、ずるいですわ!」

「ふえ?」

「あたくしも真澄に膝枕して頭をナデナデしたかったですわ!」

「あ、えっと?あれは別に真澄君がお腹一杯で苦しそうだったし、あの方が楽かなって思ってしただけなんだけど」

「くうっ!それでもです!末恐ろしいですわ」


何か変な言い合いをしている。

そう言えば、されたな膝枕、お腹一杯で眠たくなっていて気にしてなかったわ。

今思えば、柔らかくって良い香りがしました

はい、得に何も言わずに黙ってます。

そんなワチャワチャしているのを見ながら

俺達の1日はゆっくりと過ぎていった。




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