第3話「俺の超能力」

学園の中に入るとまさに都市。

こんな朝早くから人が多いこと通学中と思われる学生も何人も歩いているではありませんか、まあ、当たり前なんだが・・・

斉狐先生に俺ははじめに何処に行かないといけないのか聞くとまずは職員室に行くとのことでアリスとは一端お別れだ。


「輪道君、僕達は同じクラスらしいからまた、あとでね?」

「わかった、またな、アリス!」

「!」

「うん?どうした?」

「えへへ、輪道君に名前で呼ばれちゃった!」


頬を朱に染めて嬉しそうに笑顔を見せるアリス・・・うん、可愛いですね。

いや、可愛いのはとても良いんだけどね?

何故、アリスは、こうして、惑わせるのか?男でありながらその行動の女子力の高さよ!


「さて、輪道君職員室で君のクラスの担任と引き合わせますから行きますよ」

「あ、はい」


職員室に到着した俺はその場で担任の教員に紹介された。

女性の教員でなんと言うか・・・


「あ"あ"ぁ"~っ昨日飲みすぎてあったまイダーイ」

「・・・・・」


斉狐先生?

俺は何も口に出さずに斉狐先生に目で訴える


「童子摩 酒苑(どうじま しゅおん)先生です。ご覧の通りお酒好きで常に酔っ払いでアルコールがきれたら二日酔いに苦しむ酒カスですね。」

「うっせーあたしゃ酒を飲むんじゃねぇ命の水を飲んでるのさっ」

「良いから仕事をして下さい。こちらが輪道君のデータです、彼は予知夢以外の能力はいっさい使用出来ないのでカリキュラムに気をつけてくださいね」

「あぁ~学園理事のジジイとババアどもから聞いてるっつーの、輪道」

「はい」

「まあ、あたしも気に掛けてやるがずっとはさすがにみれねぇだから特別措置っつーのでな3つ言うことがある」


1つ、俺の超能力は予知夢のみだと言うことは全学園生に伝えているということ。

通常の超能力者は物を手に触れずに動かすサイコキネシスと肉体的に常時能力無しの倍くらい強靱である、しかし俺は肉体的には能力無しの者達と同じだと言う。

2つ、それを踏まえて俺にボディガードがつくということ。

学園内でもやはり馬鹿は居る。

俺がそれだけしか使えない、しかもコントロール出来ないのでちょっかいを仕掛けてくるのは確実だと思われる。

3つ、ボディガードはつけても絡む奴はボディガードに始末させて構わない。

この学園は人を他人を守るための力を養うために創られた場所でありながらそう言う奴ははっきり言っていらん、と


「まぁ、こんなところか?」

「そうですね、輪道君、私は普段保健室に居ますので困り事があれば訪ねて来て下さい

また、予知夢を見た時も訪ねて来て下さいね。」

「わかりました、ありがとうございます」


それでは、と去って行く斉狐先生。

教員主任なのに保健室勤務なのかと俺は考えるんだけどそう言うものなんだろうか?

不思議そうな顔をしていると童子摩先生が俺の疑問に答えてくれた。


「斉狐の奴は特別なんだよ。

あいつが居る保健室はラボもかねてんのさ

それに医師免許まで持ってやがって持ち腐れだ」

「はあー斉狐先生ってすごいんですねー」


童子摩先生にその事を聞いて普通にすごいなぁと思いつつ始業時間まで職員室で待つ俺。

ボディガードはどんな人何ですか?とか聞いてみたが会ってからのお楽しみだと言われてしまった。

童子摩先生はチラリと時計を見てから引き出しをごそごそと探ると琥珀色の液体が入ったビンを取り出した。

おいおい!今から飲む気ですか!?


「ちょっ、童子摩先生ぇっ!?」

「なぁに心配すんな、いつも通りだからな」

「それはそれでよろしく無いのでは!?」

「だぁいじょうぶだって」


酒ビンの口を開けてグイッと1口飲むとくぅ~二日酔いにはコレだわぁ~、と調子良く言う確かに先ほどよりも顔色が良くなってきているのが不思議なんですが・・・


「さぁて教室に行くぞ~」

「あ、はい」


童子摩先生に連れられて来た教室は《2-S》

そこからA~Gと並んでいるようだ。

でも、Sクラスって友人から聞いた話しだと確かPSY値が1000超えの特別クラスとか···

え?待って、俺の超能力ってただちょびっと何か起こる事が分かるだけだったよな?

えぇ、どうしてだ?しかも俺PSY値測ってもらったけど0だったぞ!

斉狐先生が君は特殊だからとか言っていたけどさそりゃぁ絡まれるわ!

PSY値0がSクラスとか無いだろ?!

教室の外で色々と考えて頭をかかえていると教室の中から入ってコーイ、と童子摩先生に呼ばれた。

・・・覚悟を決めるしか無いのか

俺は教室の扉をスライドさせて中へと入っていった。

その瞬間集まる視線にたじろぎながらも顔をあげて自己紹介する。


「輪道 真澄です、昨日超能力者だと判明してこの学園へ加わる事になりました。」

「皆、昨日緊急で学園集会開いて理事長から聞いての通り輪道は予知能力者だ夢と言う形で輪道の周りに起こりうる近い未来を視ると言う最高クラスの的中率でほぼ100%で当たる」

「え?」


それは俺、初耳何ですが?


《ええーっ!?》


クラス一同驚愕ですね、俺もです。

どうやら斉狐先生が昨日のうちに俺の超能力のサンプリングを学園のスパコンを使用して昨日の事故をタイミングを計算停めるのが早くても遅くても大事故になりバスの乗客から他の事故を起こしたトラックの人や車の人まで亡くなってしまったそうだ。

昨日の事故は怪我人は出たが亡くなった人は一人もいないと言う奇跡が起こっている。

それも俺の予知夢のおかげらしいんだ。


「ま、まじですか?」

「おうよ、斉狐の奴が大興奮してたから本当の事だろうよ。

輪道の予知夢は多分生存率の概念突破、絶対に死者を出さない未来を予知するいわゆる」


《神の領域》だ。


・・・クラスがシーンと静まりかえる。

嘘だろ?俺はただ夢をみただけだったのに何かすごいおおごとな超能力って事なのか?!

俺自身は呆然としてそんな能力だとは思いもしなかった。

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