第52話 星の杖
第52話 星の杖
ユリウス『私達は、次の試験の…準備の為失礼する。君達とは、また何処かで会えるかもね』
ランザリオ『今日は、楽しかった感謝します。別れの挨拶と感謝するのは常識』
アゼール『本当に可愛い子だわ元気でね…』
3年生の背を見ながらシェルピーが、呟く
シェルピー『明日でこの学園とは最後ですね』
パメラ『はい』
シェルピー『渡したい物とは果たして何でしょうか…』
シェルピー『取り敢えず汗をかきましたので流しましょう』
明日で最後私がずっと行ってみたかった。
学校…とはこのような場所だったのだろうか…
ジュベールさんが言っていた。「渡したい物」とは一体どんな物だろうか…
私は考えている内に眠りに着いていた
翌朝早朝に、入門の際にお会いした入門官に呼び出される
学園長がお呼びしていると…
学園長の部屋は学園の最上階にあり7階に登る際に魔導具によってエレベーターの役割があった
学園長前に一度会ったことのある人物だ。
入門官『こちらになります。』
ドアが開く…
そこにはニイさんと学園長のラザトームの姿があった
ラザトーム『いやあ…まさかニイ様のお知り合いだったとは世界は広いですね』
ニイ『いえいえ私の弟が最初にお会い致しておりまして…』
ニイ『旅のほとんどは、弟の方が引っ張られております。』
ラザトーム『貴方様の噂ならいくつもお聞きしております。』
ラザトーム『ですが…今年もこの子達には驚かされてばかりです。』
ラザトーム『最初、ライル会長から特別入門者を入らせるとお聞きした時は、驚きました。まさか会長が新たな入門の形式を作るとは…と』
ラザトーム『ですが…この子達の活躍を聞いて納得致しました。』
ラザトーム『本当に魔法の常識を書き換えてしまうのではと』
ラザトーム『特別入門者は、貴方様が初めてであり最後でもありますので企画を立てるのが、大変でしたよ何でも…10日間に短縮しますのでね』
ラザトーム『この日…貴方様は、本日から公認魔法師です。』
ラザトーム『一級魔導学園を、出門される者たちには協会から支給される特注の代物がありまして…』
ラザトーム『国宝級の出来ですよ』
と…宝物箱の中にはまるでシェルピーさんの属性を体現したような豪華な杖とまるで空の星々のように輝く希少石で出来ている杖が入っていた…
ラザトーム『シェルピー様には、王族に献上するように一流の職人によって仕上げられたこれ以上ない杖で御座います。』
ラザトーム『武器は持つ者の属性に合わなければいけません』
ラザトーム『シェルピー様には、光・水・風・地の属性に合った「魔法金属」で出来ております』
ラザトーム『嵌め込まれている石は、属性によってそれぞれ変化する「魔法石」で、ありかなりの貴重な為盗まれないようにご注意ください。』
ラザトーム『売れば国一つ買えるかもですよ…ハッハッハッハッ』
ラザトーム『おほん…冗談はさて置き…「魔法金属」は、持つ者の属性に適している場合持つ者の魔力を強め、魔力質量によって更なる真価を発揮させる特徴があります。更には、とても軽く耐久面に置いても重宝されます。一方「魔法石」は、持つ者の属性に適している場合属性そのものと、魔技(まぎ)を強める特徴を持ちます。』
ラザトーム『これは、特注ですのでそこいらの三流品とは、比べ物にならない代物でしょう。』
ラザトーム『パメラ様ですが…なんせ見たことも感じたことも無い属性でしたので職人の方も今まで作って来た中で一番苦労したと聞いております。』
ラザトーム『この杖を一つ作るのに、数百人の職人と…ある…実在するのかも伝説に包まれている石と…その石を手にするのに協力なされたお方がおります。』
ラザトーム『星に最も近い場所にあると言われる「星空石(せいくうせき)」』
ニイ『!』
シェルピー『!』
ニイ『伝説の石が実在するのですね』
ラザトーム『それが…ライル様もご協力なされているのですよ』
ラザトーム『この石を入手するには…皇帝陛下様の許可が最も必要になられるとの事です。』
シェルピー『皇帝陛下様…7つの大陸を統べる全ての王の頂点に君臨するお方』
ニイ『皇帝陛下様とライル会長が直接関わった杖ですか…』
ラザトーム『ライル会長の頼みに、皇帝陛下様はいち早くご協力なされたとの事です。』
ニイ『皇帝陛下様を、動かす程の権限が…』
ラザトーム『どうやら…お知り合いの様ですよ』
ラザトーム『ライル会長は、十二聖輪を授与なされておりますのでそれでご面識がある様です。』
ニイ『十二聖輪…それぞれ「王族会議」・「魔導協会」・「ギルド協定」において12種ずつあると言われるこの世に存在する全ての者の行いから最も評価された者が授与される「称号の指輪」ですね』
ニイ『私は、魔導協会から4つ程頂きましたわ』
ラザトーム『それ程の、苦労と価値がその杖には御座います。』
ラザトーム『ライル会長は、パメラ様に杖を用意する話をした際に飛んで喜んでおりました。』
ラザトーム『可愛い親戚にプレゼント出来ると』
ラザトーム『パメラ様に早くお会いしたいのなら何故瞬間魔法を、使わないのですかね…お忙しいのでしょうか…本当に不思議なお方ですよ』
こうして…私だけの杖を手にする。
剣とは違い馴染みがある最高の杖だ。
その反面…こんなにお作りになるのにご苦労があるこの杖を果たして素手で触っても良いのかの抵抗があった。
私は、初めて…物を触るのに緊張したのだった…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます