第4話 機動新撰組

【埼玉愛side】


 中等部の先輩である藤堂宜虎とうどう よしこさんに追いて行くと、向こうから話かけてきた。


「一緒にいた彼が噂の茨城恭介くんかい。

 確かに、関東ときめき学園のと言われるだけあり、保護欲がそそられる男の子だったね。

 大変だね、君たちも……」


 同情されてしまいましたわ。

 少子化、それも男の子が少ないせいか、あぶれる女の子が大勢いる。

 選ばなければ、そこそこの男の子も居るけど……

 恭介を見れば、やっぱり美形を選ぶのは自然の理。

 人間、中身が大事 !?

 もちろん、反論は無いけど 美形なことに越したことはない訳で、恭介を狙う女子が絶えないのよね。

 頓所に着くと、通り一遍の事情聴取が終わり……


「実は本題は別にあるんだ。

 、中等部に入ったら風紀委員会、それも機動新撰組に入らないかい ?

 ウチは慢性的に人手不足で手が足りていないんだ。

 さっきも副長の土方歳絵ひじかた としえが現場に居ただろう。

 今の機動新撰組は局長の椅子を私達が推す近藤勇樹こんどう ゆうき芹沢鳩子せりざわ はとこが争っている。

 君たちが入ってくれると、ウチの近藤さんが局長に成れるんだ 」


 藤堂先輩の話だけど、私達にはメリットが見えない。

 お断りしようと返事をしようとしたら、


「芹沢さんが、局長に成ると『』と言っているんだ。

 実質は自分達で独占するつもりなんだと思う。

 どうする、君たち。

 風紀委員会に入るか入らないかは、はしないよ 」


 ズルいですわ ! 実質、選択権なんて無いですわ !

 幼馴染みズと相談することにして、返事を保留しましたわ。


 アァ~、頭痛が痛いですわ !


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