美少女、夜野蝶子のそれは秘密です ❤️

るしあん @猫部

第1話 乙女の秘密 ❤️

 わたしの名前は、夜野蝶子よるの ちょうこ


 幼い頃から、わたしの容姿は人目をいたわ。


 幼稚園の頃、


 ── 蝶子ちゃんは、かわいいわね。

 お姫様みたいよ ──


 同級生の父母から、ちやほやされたわ。


 小学生の頃、


 ── 1組の将太しょうたくんが、蝶子ちゃんのことが好きなんだって !

 モテモテだねぇ~ ──



 その時、思ったわ。


 どいつもこいつも、チョッッロ !!

 わたしの人生、イージーモードだということに気がついた。


 高校生に成った今だって、(回想開始)


 学校の廊下を歩いていただけで、


「夜野さん !」


 に呼び止められた。


「何ですか ?」


 わたしが聞くと、男の子は恥ずかしそうにしながら、


「俺、隣のクラスの……

 瀬久原せくはらと言います。

 あの……俺、ずっと前から、夜野さんのことを可愛いなって思ってて、良かったらROSENとか教えて欲しくて……」


「えっ、ROSENですか ?

 わたしと ? 」


 わたしが可愛いのは当然だけど、普通にお断り案件だったわ。


 尚も男の子は続けて話してくる。


「急で驚いたよな 」


 よくあるわよ。


「でも、俺は夜野のことを、もっと知りたかったんだ !」


 知って、どうするのよ !


「俺のことも知って欲しかったんだ !」


 わたしは、アンタに興味無いけどね。


 とにかく、湯水があふれるように不満はあるけど……

 わたしのイメージが崩れるから、わたしから決定的な言葉は口にしないわ。


 それに……


 ドッ ドッ ドッ ドッ !


「夜野さんが困っているだろう、退いた、退いた !!」


 困っているフリをしていると、大抵周りが解決してくれたわ。

 もちろん、助けてくれた男の子に礼を言うのを忘れないわ。


品羽ぴんはねくんが来てくれて良かったわ。

 ありがとうね 」


 ── 品羽くんの好感度が上がったのが解ったわ ! ──


 品羽くんが、何か言おうとした所で、女友達が移動教室への誘いにきた。

 これ幸いに品羽くんから離れたわ。


 どうでもいい男の子にROSENを教えるなんて、真っ平ゴメンよ !!



 ◇◇◇◇◇


 教室に入ると、嵐くんがアクビをしながら外を見ていた。


「嵐くん、おはよう 」


「蝶子、おはよう 」


 大江戸嵐くんは別 !


 顔はイケメンだし、性格は大雑把おおざっぱ、なんといってもやさしいからね。

 そして、家は大金持ち ! そしてイケメン !


 もちろん、蝶子が猫をかぶっているのはよ !





 ※ ROSENは、この世界のL◌NEみたいなアプリです。


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