秘密。その2
わたしは、
あの御方に
いつまでも わたしだけを見ていて欲しいと
願っていました。
光の君は、
母の顔さえ覚えていなかったの。
だから、
藤壺は桐壺そっくりだって言ったのが気になって
いつも 藤壺の傍に居たいと思ったのよ。
それに、
父である帝だって、
藤壺に 光の君の母親代わりになってくれって言ってたじゃない。
密通してしまったのは、
ふたりが
たった五歳しか違わない 男女だったからよ。
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