異界行彷徨奇譚。〜肝胆相照らす〜

猫野 尻尾

第1話:伝承。

第31回電撃大賞 電撃小説大賞 応募作品です。


昔の言い伝えでは、海外で悪魔と呼ばれる存在に匹敵するものは、日本では 鬼、

妖怪などと称されていたらしい。

つまり世に徘徊する魑魅魍魎は鬼や妖怪と曖昧に呼ばれていたようです。


鬼の話で有名なのが酒呑童子しゅてんどうじの話。

あとは、みんな知っているおとぎ話 「桃太郎」桃太郎に退治される鬼が島の

鬼たちがいますね。

その他、昔話や伝承、伝説によって紹介されていますが実際に鬼が現れたと

される事実はなく一部の書物でしかその存在を知ることはできません。


妖怪にいたっては日本全国津々浦々どこにでも話はあります。


しかし実際に存在した化け物は「傀魔」カイマと呼ばれ異界から人間界に

やってきて人々を殺害、あるいは食すと言われる化け物です。

傀魔カイマ」は別名傀儡くぐつとも呼ばれそのいわれから誰かに操られた存在だとも

言われている。


その容姿はさまざまで、個別に存在していて人間くらいの大きさの傀魔や

もっと大きくて強い傀魔も存在します。

そして、なんのために人間界にやって来るのかも定かではありません。


この物語は高校生男子の召喚士「比古神 新羅ひこがみ しんら」と 太陽神、天照大神の末裔、

神霊の「阿加流姫あかるひめ」のふたりが その傀魔かいまと呼ばれる

化け物と背後で傀魔を操る妖怪を一掃した話です。


飛鳥時代、神羅の家計は先祖代々神の使い手として 神霊を呼び出すことができる

召喚士で、また傀魔を退治するのが、神霊と呼ばれる太陽神の巫女でした。

召喚士は代々一子相伝、世襲によるもので、 ちなみに召喚士は修行によって能力を培うものではなく生まれついての血脈、才能によるものでした。


その後、明治時代になってカイライに対して「真神まかみ」と言う組織が誕生します。

そして召喚士及び神霊たちの活躍により化け物傀魔は徐々に一掃されていきました。


しかし何人かいた召喚士も傀魔との戦いによって命を落とし存続したのは神羅の家系のみとなったと言われています。

召喚士と神霊によって傀魔が殲滅されたことによって、それとともに真神も活動の

場を失って解散されました。


現在にいたっては傀魔の存在は確認されていないことになっているが、

実は最近になって再び不審な影が人々の生活を脅かそうとしていた。


つづく。


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