5 中二春

 新学年になり、クラス替えが行われた。

 7クラスのうち、2年連続で同じクラスになれる確率は、1/49である。


 1桁パーセントの幸運に、僕は恵まれた。


 同じクラスになれるなんて思ってもいなかったので、それについては純粋にうれしかった。


 ただ、入学当初のあの頃の出来事がはるか遠く、まるで夢の中の出来事であったかのようにその面影は無く、ほとんど会話をすることもない。


 ただそっと遠くから、後ろ姿を追うくらいで、何事もなく時は進んでいった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る