第21話 2人の関係

「ふぁ....んん」


「お兄ちゃん眠そうだね皿洗い変わろうか?」


「いやいや俺がやるって..まぁ眠いは眠いんだけど」


(あの2人付き合ったんだ..良かった..)


昨日智紀から送られてきたLoinの通り2人は無事付き合う事が出来たらしい


まぁ俺が寝不足なのは昨日遅くまで動画の編集をしてたからだけど..


まぁあの2人ならきっと仲良くやっていけるはずだ

お祝いに今度智紀になにか奢ってやるか..


「お兄ちゃん昨日結構遅くまで編集してたよね?結構気合い入ってたし!」


「あぁ 昨日はちょっと色々あってな..今料理のモチベーションが凄いんだよ」


「そうなんだ じゃあ昨日の動画ランキング1位取れてるんじゃない?」


「確かに..ちょっと見てみるか」


そう言って俺はスマホで昨日のランキングを見る

ランキングというのはマイチューブの料理部門の人気ランキングの事だ


(まぁきっと1位だろ..今回は渾身の出来だからな..)


昨日の動画は時間をかけて撮り直した分かなり面白いものになったと思う

俺は1位を確信しながらランキングを見る だが...


「えっ2位!?ウソ!?」


「1位はえっと..「ドクちゃんねる」だってお兄ちゃん知ってる?」


「し、知らん.. まじかぁ..」


まさかのランキング2位! 1位を取れなかった事は普通に悲しいがそれよりも..


「この「ドクちゃんねる」もう35万も再生されてる!人気なんだね」


「うーん..最近あんまり人のチャンネル見てなかったからな..

 まぁ次こそは1位取れる様に頑張るよ」


「私も応援してる!頑張れお兄ちゃん!」


俺たちが台所で話していると母さんが歯を磨きながら入ってきた


「ん?2人ともまだ居たの?ほらはよ学校行きな」


「あっ確かに じゃあそろそろ出るか」


母さんに言う通りもうそろそろ出たほうが良いだろう

俺はカバンを持って玄関に向かう


「行ってきまーす」


今日は少し余裕もって家を出たので急いで走る必要は無い

やっぱり余裕があるっていうのは気分がいいモノだな


上機嫌なまま駅に着き電車に乗る

流行りの音楽をイヤホンで聴きながら電車に揺られているとあっという間に学校に着く


クラスに向かうため校門をくぐり歩いていると正面に見覚えのある人が見えた


(あれは..智紀!それに..夢美さん!)


目の前の2人は手を繋ぎながら楽しそうに喋っている 2人で登校している様だ


(はは智紀めっちゃ笑顔じゃん..それに夢美さんも..)


普段スカしているアイツがあんなに笑っているのは珍しい

本当は写真に撮って夏生達に見せてやりたいがそっと我慢する


(それにしてもお似合いな2人だな..良かったよ)


俺がほっと安心しているとどうやら智紀が後ろに居た俺に気付いた様で話しかけて来る


「あれ大地いつの間に..」


「おっす智紀それに夢美さんも」


「おっはよー!ふふふ..」


「おい誠..何ニヤニヤしてんだよ」


「えー?良いじゃん!ふふふ」


「あれ?智紀その呼び方..」


「ああ..呼び方変えたんだよ せっかく一緒になれたからな夢美って呼ぶより

 こっちのほうが良いからな」


智紀の夢美さんの呼び方が苗字から名前の誠になっている

2人が付き合ったことによって距離感が近くなったのだろう


「ああそうだ 2人ともおめでとう!」


「おうありがとな 色々大変だったけど何とかな」


「そう言えば..前の彼女さんは?」


「別れたよ どうやらあっちも俺に冷めてたらしいからすんなりといけたよ」


「そうなんだ..良かったな」


俺が智紀のことで一番心配していたのは前の彼女が別れてくれるかだったが

なんとかなったらしい


「へへ..やっと智紀と一緒に居られるんだもん!

 めちゃくちゃ甘えてやるんだから!」


「ちょっと止めろって」


「はは夢美さんも良かったね」


「うん..えっとその鷹藤君もありがとね」


「ん?俺?」


「うん だってさ私がこうやって智紀と付き合えたのもさ

 水族館の時に鷹藤君が話聞いてくれたからだし..」2人はそう言って


「その色々ありがとう!」


「夢美さん..」


「俺の方からもありがとう..」


「智紀まで..ほら頭あげて!」


「まぁ2人とも..仲直りできて良かったよ 改めてこれからよろしく!」


「おう」


「よろしくね!大ちゃん!」


「だ、大ちゃん!?」


「大地だから大ちゃん!よろしくね!」


「まぁ良いじゃん


「こら智紀!お前は呼ぶな!」


智紀がニヤニヤしながら呼んでくるのは許さない

そんな感じで俺は智紀達と一緒にクラスへ向かう


そして俺たちがクラスの中に入ると..


「あ!竹下君!夢見さんおめでとう!」


「え!?な、なんで知ってんだ!」


入った途端2人はクラスの人たちに祝われる

2人とも突然のことに顔を赤くして困惑する


「ま、まだみんなに伝えてないのに..」


智紀が困っていると俺たちの方にクラスにいた夏生がやって来る


「良かったじゃ無いか!2人とも!」


「夏生お前..もしや皆んなに言ったな!?」


「い、言ってないぞ!!ただクラス内で天野君達と話してただけだ!」


「バカ!!お前声大きいから皆んなに聞こえてるだよ!!」


「そ、そうか!!す、すまない!!」


少しの変化はあるがいつも通りの日常が始まった


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