第4話 で、これからどうすんだ?
ご飯も食べて腹が膨れたところで
死なせてくれないなら、クリスはここに居座るんだろう、でも布団は一人分しかない。
どこで寝るんだ? この部屋は狭くて布団は二つ敷けないし、布団を買いに行ったら邪推されてしまうだろう。
それは困る。
いずれできるだろう嫁になんて言いようもないだろうし。
いや、そこまで生きるかは知らないがな。
「あ、また死のうとか思ってませんか? ダメですよ! 死なせませんからね! 」
「どうしてそこで思考を読まないんだよお前は! ! いやさ、どこで寝るんだ? 布団は一つだぞ」
そう言えばクリスは少し照れたように頬を赤くして、煎餅布団を指さした。
「私、誰かとくっついてないと眠れないんですよ〜だから多田克典さんとくっついて寝ます! 」
は? いやいやいや? 俺男だぞ? !
何があるか分からないだろうが! !
いや、シないもりだが、手が触れちゃったりとか、あるだろ、そう……もにゃもにゃみたいな! !
「あ、したいならどうぞ〜」
「なんでそこだけ読むんだよ、てか軽! ! 天使様ってそんな軽いのか! ? 天使だろうが! ! 身持ちは固くあれ! !」
多田は凄く慌てた。
彼女いない歴が年齢なので初いにも程がある。
なんせキャバクラでさえも顔が真っ赤になるタチなのだ、勘弁願いたい。
できれば彼女もとい嫁になる人に純潔は取っておきたいという、変に身持ちの固い男になってしまった。
そんな彼に今この天使はなんて言った?
シていいですよ? なんてこと言うのだ、この天使は。
そこまで考えると、天使様は顔を真っ赤にして羽まで出してアワアワとしだした。
「あ、えと、違います違うんです! 体とか胸とかなら大丈夫ですが! !私処女なんでーーー! !」
「おま、ばか! 声がでかい! 」
クリスの騒ぎ出す口を塞ごうと思って多田が立ち上がるが足が痺れて倒れ込む。
「うわあああ! ? 」
「きゃう」
クリスを下に敷いて倒れ込んだ先、ふにゃりとしたものが指先に触れた。
多田はクリスの胸を鷲づかんでいたのだった。それに気づいてばっと手を離せば、「もういいんですか? 」とクリスがきょとんと首を傾げた。
だから、身持ちは固くあれ! てかあって欲しい多田だった。
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