② 実姉に告白されて本気で付き合っていた。姉は大学生になり、別れようと言った。

激 辛

第1話

俺には姉がいる。姉は正真正銘の血の繋がった実の姉だ。


 告白されたのは俺が中2の時。当時高1だった姉に告白された。


 「どうしたの?お姉ちゃん」


「私ね、ずっと好きな人が居たの」

 お姉ちゃんは緊張している様子だった。


「へぇ、そうなんだ。告白でもするの?」


「うん、しようと思って」


「頑張ってお姉ちゃん!お姉ちゃんなら絶対最高するよ!だってお姉ちゃんは世界一優しくて可愛いもん!!」


「本当に??」

 その言葉を聞いてお姉ちゃんはうんと明るくなる。


「うん、俺が保証するよ!!」

 でも直ぐに緊張したのか、小さい声で


「もし告白する人があなたでも??」


「もちろん!!ってぇー!!!!!」


「保証してくれる??」


「そ、その、ち、・・・血は繋がってると思うよ。」


「でも、好きだから」

  姉は照れつつ、俺の顔を覗く


 俺は姉のことをそう言う目で見たことは一度もない。ただ姉としては大好きで、この世で一番大好きで大切な人だ。


 だが、まさかお姉ちゃんが俺のことをそう言う感じで好きだったとは、


 今思うと、俺とお姉ちゃんは仲が良過ぎたのかもしれない。

 

 姉とは一緒に色んな所に行ってる。


 【弟、今日は一緒に祭りいこうよ】


【良いよ!!】


  家でもどんな時も一緒だった。

 【弟、お邪魔するよ】


【着替え中でもいいなら良いよ】


【全然良い!!】



 そういえば、よくお姉ちゃんにおすすめされる本も


 【弟、この本読んでみて】


【禁断!!姉弟愛!!ストレートな名前の本だね。でも面白そう、読んで見るね】


 あとよく俺の女友達についても聞かれたな。


 【弟は、女の子の友達は居ないの?】


【一人いるよ】


【誰、そいつ】


あの時の姉は怖かったな。でも、なんか可愛かった。



 あれ、今思うと、思い当たる節があり過ぎる。


 「駄目かな??」

お姉ちゃんは泣きそうな顔をしている。


 「結婚は出来ないよ。子ども作れないよ」


「そうだね、でもそれ以外は出来るよ。」


「確かに、じゃあ保証しようかな」


「分かった。貴方のことが好きです。」

そうして、俺に答えさせる前に唇を奪った。


 離れてから、俺は答える。

 「良いよ、」



 だが、しかし姉は大学生になり変わってしまった。

 

______________________________________________________


 俺はお姉ちゃんと約2年間付き合ってる。


だが、姉が大学生になってから少し変わった。


  そして、たまたま外でお姉ちゃんを見つけた。


 「あ、あか・・・嘘?あれ誰??」


あかり・・・俺の姉は男と手を繋いでいた。


 しかもキスをした。


 嘘だろ。


 俺は姉に告白されてから、姉のことを女として見るように意識して、本当に好きになっていた。


 けど、これはないよ。


ーーーーーーーーーー


 「お姉ちゃん」


「どうしたの?青・・・あとお姉ちゃん呼びは」


「・・・お姉ちゃん、やっぱり姉弟で付き合うのは無理があったんだね。」


「・・・っ!!どうしてそんなこと言うの?


 「今日見たよ。」


「・・・っ!あれは勝手に手を繋がれて」


「その後も」


「・・・」


「もう言い逃れ出来ないね。」


「ごめんね、青」


「今回のは流石に許せないよ。だから別れよう」


→→→→→→→→→→②はここから


 「嫌だ!!」


 「でも、俺はあんなことをする姉と付き合う気にはなれない」


「あれには理由があったの」


「理由って何?」


「もし、私達が関係を進めた時の保険」


「どう言うこと??」


「もしね、関係が進んだらあの人を使って私達の関係を隠そうと思うの」


「は??」


「もし、子どもが出来たら、あの人の子どもだと嘘をつくつもり」


「何を言って」


「だからね、私と子どもを作っても大丈夫なように保険を作ったの」


「そう言うことじゃなくて、なんでそんなことを俺に言わなかったの、あと相手はそれを知ってるの」


「知ってる。あと青に言わなかったのは断られると思ったから」


「そりゃそうだよ!!」


「でも私は青の子どもが欲しかった!!」


「???」


「だから先に作ってから、了承せざる得ない状況を作りたかった。」


「・・・」

姉は大学生になってから変わったように感じたが、俺の知らない変化をし過ぎる。


 「だからね、青とは別れたくない」


「でも、じゃあ何でキスをしたの?」


「それは、関係を維持する為に」


「そこまでする必要なかったよね。」


「・・・ごめんなさい。」


「あと、理由がどうあれ、隠すのは問題だった。」


「ごめんなさい」


「やっぱり俺は、そんな大事なことを隠す姉と関係を続けるのは難しいと思う。」


「・・・っ!待って、それは待ってお願いします」

姉の土下座を生まれてから初めてみた。しかも俺にする土下座。


 だが、これはとても許せるものではない。


 「とりあえず、一旦考える時間くれ」


「・・・分かった」


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