第53話 覚悟

霊界タワー制御室か。もう時は動いてるね。


ここ、何か警備が物々しいな。


琴美が若い警備の人に話しかけてる。


 あいつ、ニヤけてやがる!!ムカつく。琴美もタンクトップってのもあるんだけどな。それ、正装って言われてもね〜


【あの〜この制御室に入るって出来ますか?】


警備の人は、


【おっ、可愛い!!…ゴホン…えーと、君、ここにどうやってきたの?セキュリティ連中何やってんだか…あとで報告だな。可愛いお嬢さん、ごめんね、入れないよ。ここはね、霊界タワーの全ての…おっと、これ最高機密だ。さぁお嬢さん帰ろうか?】


※キューンキューン🐕※ じゃ、眠ってね!!


※バタン、バタン、バタン!!※


みんな眠ったように倒れ込んだ。


【ルックちゃん🐕…凄っ!!】


 琴美はルック🐕と話してるけど、俺には詳細は解らない。ただ警備の人は突然眠ったように倒れた。


※キューン🐕※ 琴美ちゃん、零と手を繋いで。


【解った。零、手を出して】


【うん】


※キューン🐕※ じゃ、抜けるよ。



……………………………………………………………



凄っ!!何この設備。見たことないぞ。


おかしくないか?ドア開けられなかったはずだ。


【ここが制御室…ここに何があるんだろ?】


※キューン🐕※ 琴美ちゃん、そのメインPC見て。


【ルックちゃん🐕、琴美でいいよ。えーと、これ?このPCの何を?】


※キューン🐕※ 僕の言う通りにパスコード入力して、それと後で零に伝えて。ありがとうって…


【ルックちゃん🐕…だめだよ!!】


琴美は焦ったが、俺もルック🐕の目を見て、


解ったぞ。言葉では解らないが、何か覚悟が。


【ルック🐕何考えてる?】


駄目だ、止めなければならないな。


【零、私と手を繋いでいて。ルックちゃん🐕の声を聞いてみて。聞ければいいけど…】


【解った】


※キューン🐕※ ここはね、全ての制御をしてる場所。そして聖奈お姉ちゃんの記憶障害も磁極が反転して、現代と霊界が重なって、それが原因なんだ。


【琴美…俺もルック🐕の声聞こえた】


【零にも聞こえたの、やっぱり零も何かあるね】


※キューン🐕※ そのメインPCの暴走を解除すれば戻るよ。何もかも。聖奈お姉ちゃんも戻るかも。


【ルックちゃん🐕何でこのパス知ってるの?ここの制御室のことも】


※キューン🐕※ だって僕、霊界守護だもん。


【霊界守護…聞いたことある。会ったこと無いけど霊界の全ての力を使えるって、ただ一人の…それ、ルックちゃん🐕だったの?】 


※キューン🐕※ 零のとこで飼われて、凄く楽しかったから現代に残っちゃった…聖奈お姉ちゃんも、みんなも優しいから。霊界守護なのに現代に残って…ルール違反だったね。


【そういうことね。ルックちゃん🐕何か秘めてると思っていたけど…零?話についてきてる?無理か…】


【………無理………霊界の住人とか、守護とかもう何も解らないよ。でも、今の世界が問題あるってことは解る】


※キューン🐕※ 零、琴美と聖奈お姉ちゃんお願い。僕がここに残るから。今までありがとう。


【残るって、そんなの駄目だろルック🐕】


※キューン🐕※ パスコード入力して全てが戻る反動でここから出られないんだ。エンターキー押さえていないとならないからね。


【………そんな、じゃパスコード入力しない!!置いていける訳ないだろ!!】


※ガルルルルル🐕※ 怒るよ!!零。聖奈お姉ちゃんどうなってもいいの?この世界でいいと思ってるの?


【ルックちゃん🐕、私が残ればいいよ…】


※キューン🐕※ 駄目だよ!!琴美。出られないんだよ。テレポートも使えないよ。絶対だめ!!



……………………………………………………………



【何だよ、それ…じゃ簡単なことじゃん】


【零?】


※キューン🐕※ ?


何も悩むことない。答えは簡単だ。


【俺が残る!!それで解決】


【何馬鹿言って!!】


※ガルルルルル🐕※ 零、馬鹿なの?いいわけない。



【黙れって!!聞けよ。俺の話】


【…零、怖いよ】


※キューン…※🐕 ブルブル…



【あのね、琴美は辛い過去あったよね?今度は幸せならないと。それにルック🐕!!霊界守護だか何だか知らないが、お前を飼った時に絶対に護るって言ったよな?忘れたか!!俺の想いを見くびるなよ!!】


【…零…やだよ~😭】


※キューン…🐕※ やだよ~😭



【何だよ、二人して…俺はもうじゅうぶん楽しく生きたよ。これ以上何を望む?琴美やルック🐕、聖奈、英二に友奈…親父にお袋…何もかも幸せだった。後はさ、笑って見送ってくれ。最後くらい俺のこと格好良かったって思ってくれよな】



 俺は既にパスコード入力されているPCのエンターキーに触れて、



【さぁ、パスコード入力完了。エンターキー押すだけだ。ルック🐕、聖奈のこと頼む!!さぁ、行け!!】



迷いなんか無いんだ。俺はもう満足なんだよ。



【零、待って!!落ち着いて、何か他に方法…】


※キューンキューンキューン!!!🐕※ えーん😭



【琴美、ルック🐕、ありがとう。またいつか…】


※ポチ!!!※


琴美、ルック🐕、楽しかったよ。ありがとう…


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