第4話

妹視点


お兄ちゃん、お兄ちゃん。


妹は涙を流しながら、家で待っている。


【これだけは何があっても約束だ。夜は絶対に一人では外に出ない】


もうすぐで、今日が終わってしまう。


・・・お兄ちゃん・・・一人に、一人にしないでよ。


妹は、ただずっと主役の居ない席に座り、孤独に待っている。


謝るから、何でもするから、私はお兄ちゃんが居ればそれだけで良いから。


ーーー


そして、時間は過ぎてしまった。


「そんな、そんな」


ずっと楽しみに待って居た兄の成人の日、ずっとずっと感謝を伝えたくて、これからも幸せになれると信じて居たのに、


「お兄ちゃん、お兄ちゃん」


妹は一人泣き続ける。普段だったら絶対に兄が悲しんでいる妹を慰めるのだが、今は慰めてくれる兄はいなかった。

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