読まれることのない手紙 二十二通目
君と別れて手に入れた世界
恐怖を越えた世界には、単純に「生きる」ということの答えがあった
日々僕たちは、無意識に未来の予定を立てている
昼食のメニューは?
帰宅時間は?
デートの約束・・・
近い未来、遠い未来、将来の夢・・・
死の危険に遭遇したとき
この次起こるであろう苦痛と
キャンセルされてしまう未来の予定に、僕たちは恐怖し身をこわばらせる
あろう事か今を生き抜く努力をおろそかにすらしてしまう
未来を手に入れるために、未来を捨てる
彼らはけっして自暴自棄に限界を超えているのではなかった
自身を活かすために、今を生き抜くために、
恐怖や自我や、未来の予定をも捨てて、
今にすべてを託していたんだ
・・・
そして、僕もその世界の住人になった
to Haruka from YOU
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