3.従妹は俺以外には氷のように冷たいようだ

第6話 従妹は俺以外には氷のように冷たいようだ

家を出て、学校へと向かって歩き出す。

まあそう言っても、学校までにはバスに乗らないといけないからバス停に向かっていると言えばいいかもしれない。

学校までは、大体1時間はかかるかもしれない。

一度駅前まで行ってから乗り換えをしないといけないから乗り換えの時間も込みで約1時間だ。

背中には、スクールバックを背負っている。

リュックではないが、肩掛けが出来るタイプの鞄の為、両肩に掛けて背負うことが出来る。

まあそうしているのも…茜が俺の腕に抱き着いて歩いているからだ。

外で、こうされるのは正直恥ずかしい。


「茜、恥ずかしいんだけど」

「私は、恥ずかしくないよ。あっちゃんと一緒なら」


顔はよく見えないけれど、茜が顔が赤くなっているのは分かる。

それほどに長い付き合いだから。

まあ、そうしているのもあと少しかな。

中学時代の彼女を知っている身としては…。

中学は、割と歩いてすぐの所にある。

だから、あの頃は家から出たら臨戦態勢だったなぁ。

臨戦態勢…うーん、あれはそう言っても過言ではない気がする。


今の茜とは全然違う。

俺が知っている彼女のもう1つの姿…それは俺以外の人には塩を通り越して氷のように冷たい。

まあ、両親に対してのそれを更にひどくした感じ。

こっちは、表情ですら能面のように感情がなくなる。

ひやっとするほどだ。

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