失恋から立ち直る5つの方法

@susu333

episode1 失恋

私は正月早々失恋した。

2年も片思いしていた同じ性別の女性に。


彼女は半年前に結婚している。

けどずっとずっと諦めきれなかった。

『好き』

それだけを伝えたかった。


彼女は私より大切な人がいる。

私は彼女が1番大切な人なのに。


この気持ちを抱えるのは辛かった。

『もしもし、あけましておめでとう。今時間大丈夫?』


《あけましておめでとう〜今大丈夫だよ、どした?》


『あのさ………

ずっと前から好きでした……。

恋愛として……。ずっと……。

旦那さんにも嫉妬していた。モヤモヤしていたから伝えたくて。

2年前から好きでした。』


彼女は結婚しているのに。

気持ちを伝えてしまった。


《……気持ちはありがたいけど、はっきりいって迷惑。私には大切な人がもういるの。幸せを壊さないで。あんたに好かれても迷惑だし不快。

とっても迷惑だから》


【ブツン】


『………』


これが失恋の始まりだった。


私は汲田茜、27歳。

どこにでもいる普通のOLだ。

私は2年前から会社の取引先の社員、小森真緒同じく27歳に片思いをしていた。


私が恋愛感情持つ前は仲の良い知り合いだった。

私が彼女を好きになってしまったから。


ほんの些細な出来事だった。

彼女とランチしていると偶然苦手な毒母と会ってしまった時だ

[あらぁ〜茜の友達さん?

ねぇこんなのが友達で大丈夫?

もっと素敵な友達がいるんじゃないの?]


と真緒の前で毒母は大きな声で私に言い放った。

固まっていた私。


《茜は私にとって素敵なお友達です!》


[あら…そう。]


と笑顔で毒母に話してくれた。


そこから真緒に恋をしたんだ____


ずっと真緒の姿を目で追いかけていた。

好きな食べ物とか嫌いなことを知って、私がよく吸っていたiQOS(アイコス)、彼女がタバコ吸う人は嫌いって言っていたから辞めた。


彼女の前では他愛のない知り合いとして過ごした。いつか彼女と笑える日を淡く期待してた。


ずっと気持ちを隠したまま半年が過ぎた頃だった。


《あのさ、茜話したいことがある》

『どうした?』


《私、今まで想っていた人と付き合うことになったの》


私は一瞬目の前が暗くなったけど、すぐに気を取り戻した。


『え!?そうなの!?私知っている人!?』

《ううん、茜は知らないと思う。俊哉さんって人。ずっと片思いしていたから、やっと付き合えて嬉しい…》

真緒は嬉しくて泣いていたね。


『おめでとう!!お幸せにね!』


黒い感情を堪えて話した一言。

それを言うだけでもかなり気力を使った。

真緒、好きな人いたんだ…彼氏出来たんだ…尚更私の気持ちは伝えられない…こんなに好きなのに…


真緒は私が恋する数年前から俊哉さんのことをずっと想っていたらしい。

俊哉さんも真緒のことをずっと想っていたらしい。

正直悔しかった。


それから真緒の幸せな話を聞く度にモヤモヤした

別れればいいのに

別れろ

別れたら告白をしよう、早く別れろ


それから1年が経った。

1番聞きたくない辛い報告だった。


《あのね、茜…私》


《結婚することになった》


なんで?なんで私を選んでくれなかったの?

貴女にとってはあの男が大事なの?

私は貴女が大事なのにこんなに想っているのになんで?なんで?なんでなんでなんでなんで?

なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんなんでなんなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで


なんで?真緒…


『ふん、』


私は祝いの言葉を言えなかった。

嫉妬で悲しくて悔しくて真緒が私のものにならなかったからというわがままで


《俊哉は私の大切な人なの、分かって?》


『良い!!!別の友達と楽しく過ごすから!!!!!』


私は1週間くらい別の社員さんとご飯を食べたり遊んだりした。


真緒にも嫌がらせみたいな感じでLINEで楽しんでいる写真や動画を送り付けた。


心は晴れなかった。

失恋したって思いたくなかった。

彼女が結婚したって思いたくなかった。







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る