貴族の三男に転生したので幸せになってやる

ヤスミ

学生編

第1話 どうやら俺は転生したらしい

俺は日本で生まれて16歳でカフェイン中毒で意識を失い、一人暮らしをしていた俺はそのまま死亡。


そして今、俺は8歳の異世界貴族に生まれ変わっていた。

鏡に映る自分は元の自分とは思えないほど美形だった。

黒髪、金目、顔も小さくスタイルもいい。

憧れのイケメンというやつだ…………

やったぁぁぁぁぁぁ!!!!

「俺、イケメンになったよ!これでモテる!」

俺はウキウキしながらもこれからどうするかを考える。

ここは異世界、まずこの世界を知る必要があるだろう、まずは本だな、本は素晴らしい世界の知識が詰まっている。


コンコン

「アッシュ様、よろしいですか?」

俺が考え込んでいるとメイドが来たようだ。

8歳になって少し経つがそれまでの記憶はあるためメイドが居ること、父が忙しくてあまり家にいないこと、母親が超美人なこと妹と兄2人が居ることは覚えている。

自分の前世の記憶を思い出したというのが今の状況なのだろう。

「はいっていいぞ」

「失礼します、昼食の準備が整いました」

「分かった今行くよ」

思考は貴族の生活に戸惑っているが体はいつもの日常だと理解しているのか異常はない。


「アッシュ、どう?体調は良くなったかしら」

「はい、お母様、もう大丈夫だよ」

「それは良かったわ」

「おにいさま、もう元気?」

「うん、ミラもありがと」

「おにいさま、頭撫でて〜」

妹のミラが可愛すぎるのだ、本当に可愛くて、やばい、とにかくやばい

「じゃあ、食べましょうか」

「「はーい」」


俺はお昼ご飯を食べ終わると専属メイドのアニに頼んで家の書庫に連れていってもらう。

「アニ〜、外について知れる本ってどこにあるかな」

「外ですか」

「そう、屋敷から出たことがないからさ、俺が知ってる世界は家の庭までなんだ」

「そうですね、アッシュ様でも読めそうな本となりますと冒険記当たりでしょうか」

アニ目線は俺は子供だ、確かに子供に歴史本を渡しても無理だろう。しかし読んでみたいな頼んでみるか

「それと、あと普通に歴史の本も持ってきてくれないかな、読めそうなら読んでみたいんだ」

「アッシュ様は勤勉なのですね」

「知識は付けておいて損がないはずだからね」


俺はアニに用意してもらった本を自室まで運んでもらい。ひたすら読み漁る、分からない字はアニに聞き何とか2日かけて読み切ることが出来た。


「アニありがとう、助かったよ」

「いえ、まさか2日で読み切ってしまうとは流石です」

「ありがとう、今日はもう休むよアニも休むこといいね」

「分かりました、では失礼します」


俺は本で読んだことを少し頭の中で整理することにする。

まずこの世界には魔法があるらしい。

アニも簡単なものを使えると言うので見せてもらったからおとぎ話の類ではなさそうだ。

そして魔物や精霊なんかもいるらしい。

よくラノベにあるような世界なのだろう。


「ふぅー、ほんとに異世界に来ちまったのか」

ここ数日でこれが夢でないことが分かってしまった。

俺は貴族だが、上に兄が2人も居るのだ、家を継ぐことはまず無いだろう。

俺が生まれた家はラザール家というらしい。

ラザール家は辺境伯で初代が国王と親友で帝国との国境線を任せれたのがきっかけだそうだ。


「俺はせっかくイケメンに生まれたんだ、可愛いお嫁さんを貰って魔法も使えるイケメンになりたい!」

そのためにも俺は1人で生きる力が必要だ。

俺には前世の記憶がある。

ガキまでの学しかないとはいえこの世界の人では知りえない知識を持っているし、生まれも貴族でかなり高い位で動きやすいだろう。


「よし!頑張ろう、まずは魔法に着いてもう少し知らないと行けないな」

明日からまた、アニに教えてもらうとしよう。


「おはよう!アニ、魔法について知りたいんだ」

「すみません、私には教えれるほどの知識がないので、レイラ様に聞いてみてはいかがでしょう」

「お母様?」

「はい、辺境伯の奥さんでかなり魔法にも長けていたと聞いています」

「ありがとうアニ!聞いてくるよ」


それにしてもあの穏やかな母が魔法をバチバチに使っているところなんて想像できないな。

「お母様」

「あら、アッシュどうしたの?」

「魔法について知りたいんです」

「……私に魔法の教えを乞うのかしら?稽古はきついわよ?」

母の空気が変わった、いつもの穏やかな雰囲気は消え去り、鋭い目をしている。

しかし、怯む訳には行かないのだ。

極めたいものを早く知ることは上達には必ず有利に働くはずだ。

「はい、俺は歴史の本や冒険者の本を読んで魔法を勉強したいと思った、貴族社会のことだって勉強した、家を継ぐことがない俺は1人で生きる力が必要なんだ」

「いいわ、教えてあげる、あなたの兄ふたりはあの人に似て脳筋でね、そんなところも愛おしいのだけれどね」

「アッシュが興味を持ってくれて嬉しいわ、私の専門は魔法だもの私の知恵を叩き込んであげる」

母が聞いたことないくらい楽しそうな声で話し始めた。

目には少しの狂気が見えていて少し怖い。

「お願いします!」



あれから1年がたった、母は毎日のように俺の魔法の勉強を見てくれて、俺は魔法についてかなり詳しくなったと思う。

実践練習もしてくれて、小さい魔法なら操れるようになったのだ。

母いわく、魔法を使い続ければ魔力が上がり使える力も上がるそうだ。


教える知識は教えきったと言われた俺はとにかく魔法を使いまくった。

魔力を使い切れば倦怠感に襲われ立てなくなってしまうのでアニに毎日付き添って貰って魔法を使い続けた。


そして10歳の誕生日俺に転機が訪れる。

「アッシュ今日は10歳の誕生日おめでとう、あともう少しであの人が帰ってくると思うから」

「お兄様誕生日おめでとう」

俺の記憶が戻ってから2年が経って、ミラも大きくなった。

あの人というのは俺の父のことだろう。

最近は忙しくあちこちを動き回っていたそうだが10歳の誕生日は絶対に祝うと言って急いで帰ってきているそうだ。

バン!

勢いよく扉を開けて誰かが入ってきた。

勢いよく俺たちの方まで走ってくるので俺は思わず魔法を使ってその人を縛ろうとしたが弾かれてしまった。


「アッシュ!ミラ!」

走ってきた人は俺たちの父親だったのだ。

黒髪黒目でかなりガタイがよくかっこいいと思えた。

「あなたおかえりなさい」

「レイラ〜!会いたかったよ、それより魔法を使うなんて酷いじゃないか!」

ガタイがいい父が母に甘えているのを見るとなんというか母はやはり強いのだと思ってしまう。

「ふふ、私は魔法を使っていませんよ、アッシュが使ったんです、あなたなら大丈夫だと思ってそのまま使わせたんですよ」

「なに!?アッシュ本当か!」

「はい、ごめんなさいびっくりしちゃって」

父は俺の肩を掴みながら前後に揺らす。


「天才だ!流石レイラと俺の息子」

「アッシュは私の人生でたった一人の弟子ですから当たり前よ」

そのあと少しの間、母の俺自慢が始まって父も止めずに聞いているので俺は小っ恥ずかしい気持ちになってしまった。

「それよりあなた、本題に入りましょう」

「そうだったな、アッシュは三男だ、家は継げないのはもう知っているのかな」

「はい」

「だから、魔法を勉強したと聞いたが貴族である方法もあるんだよ」

「例えば、どこかの令嬢に婿入りしてその貴族を継ぐこと、難しいけど何かを成して功績で貴族になること」

「そして俺たち両親からアッシュに提案するのは学園に行くことだ」

学園か学校のようなものだろうか、そこなら色んなことを学べるのか?

「学園では色々なことが学べるんだ、そしてほかの貴族との交流だってできるし平民だっている」

同年代や歳上と関われるというのは今の閉ざされた世界にいる俺には魅力的だ


「要は世界が広がると思うんだ、だから俺たちはアッシュに学園に行って欲しい、学園は12歳から入れるんだ、10歳の今これを教えたのはできるなら上のクラスで学んで欲しいから受験のための勉強やチカラをつけて欲しかったからだよ、どうかな」

俺の答えは決まっている。

「俺は学園に行きます」






作者です♪

新作でファンタジーを書きたかった!

恋愛ばかり書いてたら脳みそが真っピンクになっちまったんだ!

これからよろしくな!





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