第四話 3回じゃ終わらないです。

-全残桜学園再生委員会。誰かが立ち上げた委員会で、『もしどこかから襲撃を受けたら襲撃した者を大審判で裁く』というよくわからない思想を持っている。ちなみに今回の話には全く関係ないし、なんなら主人公(?)の夜月も放送委員会に入っているから何ら関係ない。とういわけで今回からこの一番最初のとこにはゲームとかの『Now Loading』的なので入ってる解説を入れる事にしました。よろしk。

「ろーりんぐ!」

「は?」

「ノリ悪いぞ夜月!」

「知らねぇよそんなクソみてぇなノリは、ぶっ飛ばすぞ貴様。」

「言葉遣い荒くね?」

「誰 の せ い だ と 思 っ て や が る ?」

※前回参照

「ごめんて」

「許さん」

「俺だって怒られると思ったさ!でも…」

「あ?」

「…氷見子と美宝が…推薦してて…特に美宝に関しては強硬的だったから…」

「強硬派には強硬派で対抗しろよ」

「俺は穏健派だ!」

「ふざけんなクーデター起こしてやる」

「やめっ、やめろぉぉぉぉっ!!!」

「それどっかで聞いたことあるやつ」

「パクってすみません」

「罪深い」

わけのわからん茶番をしつつも、5限6限で文化祭の準備が始まるが…………。

「やっぱお前粛清するわ」

「なんでだよ!」

「問答無用撃て」

「それは…五・一五事件!」

「よくわかったな」

「…まぁ…。」

「…」

「ってか、粛清するならシベリア送りじゃないのか?」

「それはただの流刑だ。粛清はだいたい銃殺してるだろ。知らんけど。」

「ほへぇ…」

さっさと本題に入ろう。

-学校裏庭

ミリカからここに来いって言われたが…なんでここなんだ?教室でいいだろうに。俺的にはそっちの方が氷見子の安全を確保できるような気がするから良いんだが…。まぁ何か言うのもめんどくさいし、無事を祈るしかないか…。

「来たが。」

「……。」

「ミリカ?」

「………。」

「おい!」

「っ!す、すみません!」

「…で、何をするんだ?」

「えっと…チラシの内容作りを…。」

「…思ったんだけどさ。」

「へ?」

「これ二人でやる必要あるのか?」

「…えっと…」

「チラシなんて一種類で十分だと思うんだが。」

「でも、別のものもないとお客さんが来ないと思うんですけど…」

「客はそういうの見ないだろ。この地区の人間だからな。」

「…。」

「ってわけで俺はギターやってるから頼んだぞ。」

「あ、待ってください!」

「あ?何だよ。」

「先生が言ってたんですけど……」

「先生が?」

「はい、えっと…夜月さんがこれをやらないと軽音の舞台に出る権利を剥奪するそうです。」

「は?」

あの野郎…嵌めやがったな…!クソが!俺がこう考えることを見越してミリカに言っといたのか!ふざけやがって…!いつか必ず、俺がこの手で粛清してやる!

※口が悪いですわよ

…とは言ったものの、本当にこれをやると警察にBANされるのでやらない。臆病とかそういうのじゃなくてシンプルに捕まるのが嫌だ。実行して気分が良くなっても将来はお先真っ暗。そんなことになるぐらいなら架空の世界を作ってそこでやる。まぁここが架空の世界なんだが。

「………はぁ…」

「ほら、やりますよ?」

「…わかった……やりゃいいんだろ…。」

渋々やる事にしたが、殆どはミリカにやらせている。というかミリカが俺に仕事をくれない。なんでだよ。結局ミリカ一人でやるんじゃねえか。俺いらねえじゃん。

そんなことを思っているとあっという間に6限の終わりに近づいた。

「…おい、もう時間だ。戻るぞ。」

「ダメです!ここだけやるんです!」

「教室戻ってからでもできるだろ。」

「ここじゃないとできないです!」

「……………。」

なんともまぁワガママなお嬢様だこと。

こんなんだと告白失敗するだろ。🚩予期せぬフラグ

まぁそれはそれとして、あと1分でチャイムが鳴る。この裏庭から教室に戻るのには早くても5分はかかる。というか、校舎に行くまでに1分消滅する。早くしろよ。

「できました!」

「なら早く帰るぞ」

もう遅れても良い。俺は知らん…と思っていたが、氷見子に何か言われそうで怖いな…。

2B教室

「というわけで、今日の活動はこれにて終了!みんなよく頑張ったわね!また水曜日も頑張ってちょうだい!」

「ウォァァァァァ!!!!!」(スライディング)

「遅れましたぁ!!」

「わぁっ!?夜月と夢那さん!今帰って来たんですか?」

「はぁっ…あぁ…そう…です…。」

「ちょっと…道迷ってて…」

ミリカの言い訳がクソすぎる…もう2年生だぞ。

「もう2年生でしょう?道は覚えなさい。」

被るな。

「とりあえず今日は解散!」

「ふぁぁぁぁぁぁ!」

「お疲れ夜月。」

「あぁ…西蔵…。」

「大丈夫か?」

「…まぁ…それなりに。」

「この後部活だろ?」

「あー…流石に今日は行かねえわ。帰って寝たい。」

「理由がクソすぎる」

「いいだろ別に」

「え、夜月今日部活行かないの?」

「…行かねえぞ。」

「じゃあ私も行かないで帰るわ。」

「氷見子は行けよ。」

「なんでよ、貴方がいた方がいいわ。」

「…そうか。」

「なんだぁ?お前ら付き合ってんのかぁ?」

「は?」

「貴方がいた方がいい〜とか完全にそうだろ。」

「うるさいわね!私がどう思ってようが勝手でしょ!」

「それだけで決めつけるとかどういう神経してんだテメェ。」

「…あぁ……。」

「…。」(謎の沈黙)

「んで、お前らは付き合ってんのか?」

「そんなわけないだろ。」

「あり得ないわ。」

「ふーん………。」

「何だその目は。」

「…いや、なんでもねえよ。俺も帰るわ。」

「そうか。」

…そういえば、さっきからずっと謎の視線死線を感じるんだよな…。

「……夜月さんは…!」

「ん?誰か呼んだか?」

「呼んでねえよ。」

「?」

「私も呼んでないわ。」

「………」

「疲れてんだろ、早く帰って休めよ。」

「…そうだな。帰って寝れば何とかなる。」

謎の視線が何なのか気にはなったが、とにかく家に帰ることにした。

LINE-彩桜春イロハ

『私今日は帰ってこないから、お兄ちゃん家事頑張ってねぇ〜』

「ふざけんな」

返信するのもめんどいのでとりあえず既読スルーしておく。アイツがいないと家事めんどくせぇんだよ…一生家事やってて欲しかったのに…

いや一生は言い過ぎだったわ。

「氷見子、今日なんかあるか?」

「何もないけど?」

「なら俺の家来るか?今日は誰もいないんだとさ。」

「なら行くわ。前に来てもらったし。」

「え?」

「え?」

「…そういう問題か?」

「いいじゃん、どんな理由でも。」

「…まぁな。」

夜月家-桜仁の部屋

「ここが俺の部屋だが…」

「すっごい汚い」

「ストレートだな」

まぁ当然だろう。机に本が散乱してるし床に服が散らばってて歩く場所がないんだからな。

「ちょっと片付けるから隣の部屋で待っててくれ。」

「ここは誰の部屋?」

「妹の部屋だ。」

「こっちの方が汚いんですけど」

「は?」

「ほら…」

見てみると俺の部屋より明らかに汚い。ペットボトル散乱してるわ、タンスから服飛び出してるわ、ベッドグチャグチャだわ…なんでだよ。

「…アイツこれでどうやって生きてんだ?」

「夜月の家ってみんなこうなの?」

「…あー…多分うちの爺ちゃんの血が強いんだろうな。うちの爺ちゃんマジで部屋を片さないって婆ちゃんが言ってたわ。」

「へぇ…」

「しょうがねえ、廊下で待っててくれ。」

「はーい。」

急いで部屋を綺麗にする。とりあえず歩ける場所と机の物を片付けたが…

「ベッドどうするかな…」

整えたいところではあるが、俺は埃に弱い。布団をバサバサやるとそういうのが出るからやめろと親に言われていた。少しでも埃を被ると喘息が出て、酷い時は身体全体に蕁麻疹じんましんが出たこともある。どうしようか…

「あ、これあるやん。」

ふとバッグがたくさん掛かっているところを見ると、一番上にガスマスクがあった。これなら安心だ。

「蒸れる」バサバサ

湿気がとんでもなくヤバい。まぁ埃で喘息になるよりかはマシだ。我慢しよう。

「よし、これでOKだな。」

大体綺麗になった。

「入っていいぞ。」

「はーい…って何それ。」

「あぁ、ガスマスクつけてた。」

「なんでよ?」

「埃被るの嫌だから。」

「そっちの方が埃被ってそうだけど?」

「あ」

※この後めちゃくちゃ喘息の発作が出た。

「はぁ……はぁ…………」

「…凄く心配なんだけど。」

「モ…モンダイナイ…」

「カッスカスよ?ほら、水あるからあげるわよ。」

「アァ……アリガトウ………」

「本当に心配なんだけど。」

数分すれば治る。

あれ?声にならん。

水飲もう。間接キス!飲めばこの酷さも治るはずだからな。

「スウフンスレバヒドクナル…」

「えっ?」

「ン"ッ…?」

バカか、酷くならねえよ。何をどうしたら酷くなるっていうんだ。

「ふぁー…あ"ぶね"え"…」

「今度はガラガラよ?」

「あ"ー"…ん"っん…発作が終わった時のやつだな。」

「あ、戻った。」

「水ありがとな。」

「残り少ないしあげるわよ。」

「そうか。」

「…。」

「さて例によって例の如くやることを決めていない。」

「えっ…」

「何したい?」

「んー…膝枕?」

「それ氷見子が俺の膝に寝るってことか?」

「違うわよ、貴方が私の膝で寝るのよ。」

「え?」

「膝枕って言ったら、女性の膝に男性の頭が乗ってるアレでしょ?」

「そりゃそうだが…そっちから言うんだからそっちが寝るのかと…。」

「…まぁ、それでもいいけど…私は夜月に寝て欲しいの!」

「お、おう…そうか…じゃあ、そうするよ。」

よくわからないプライドがあるのだろうか……まぁ、そういうのも含めて可愛いんだけどな。

「…失礼します…」

「どう?」

「温もりを感じる。」

「薄い感想ね。」

「それ以外何も思いつかん。」

「えぇ…」

「まぁでも、氷見子ともっといたいって思えるな。」

「本当?嬉しい!」

「…。」

「そういえばさ。」

「ん?」

「貴方は浮気とかしないわよね?」

「するわけねえだろ。やったらめんどいことになるってわかってるからな。」

「そうよね。」

「死にたくねえよ。」

「…。」

「それで、なんの話だ?」

「……ミリカの事、どう思ってる?」

「は?」

「率直に答えて。ミリカの事をどう思ってる?」

「…。」

突然すぎるが、まぁ文化祭の準備のことを考えるとそうなるか…。とりあえず本当のことを言っておこう…。

「…一番心が読めないやつだな。それに、関わるのが凄くめんどい。」

「…。」

「文化祭の準備のことで聞いたのか?」

「…まぁ、そうね。」

「安心しろ、俺が好きなのは氷見子だけだ。他の奴のとこに行くつもりはない。」

「そう……よね。」

「それで言えば、氷見子の方も気になるが。」

「え?」

「分担が別れたせいで氷見子の事見れなくなっちまったから、その時になんかしてる、或いはされてるか心配でな。」

「…問題ないわよ。私だって夜月の事が一番だから。」

「…そうだよな。」

「……。」

氷見子の表情が良くない。とても悲しそうな顔をしている。こういう時は…

速攻でキス!()

「!?///」

「………。」

どうでもいいが、この世界の女性(恋人とかの)は大体こうすればなんとかなるというのをなんかの本で見た。

とりあえずそう。

「…」

「なっ…なによ…///急に…///」

「…いや…氷見子が可愛かったから…。」

理由がクソすぎる。でもこれしか思いつかん。

「…ありが…とう………///」

うーんいい笑顔、このまま死んでも悔いはない。あ、でも結婚してるわけではねえのか。まだ死ねねえなそれだったら(?)。

「…///」

「…………。」

ここからどうするか。このまま抱き締めてやった方がいいのか?彩桜春がそんな事を言ってたな。知らんけど。

とりあえず抱きしめよう。

「へっ!?///」

「…」

ふわふわしてる……なんか…いい。

※感想がクソ

「んっ…///」

…後ろから抱きしめよう。(?)

「な、何…?///」

「…こっちの方が、良いかなって。」

「…///」

氷見子の体…温かくて…良い……あれ……なんか……意識が…………(寝)

「あれ?夜月…?寝ちゃったのかな…。」


翌朝

「…っ!」ガバッ

この感覚……まさか…寝落ちから目覚めたやつか…!?

「あ、おはよ夜月。」

「…ん……氷見子…?」

「昨日は良かったわ。ありがとね。」

「昨日……?」

「あ、覚えてないんだっけ?寝ちゃってたから。」

え、嘘だよな?そんなわけないよな?俺が覚えてるのは氷見子を抱き締めたぐらいなんだが?

「どうしたの?」

「………いや…なんでもない……。」

「そう。」

「…あれ、今朝か?」

「朝よ?」

「………待って俺12時間ぐらい寝た?」

「そうなんじゃない?」

「…ってか…えっと……な、なんで氷見子がいるんだ?」

「ここに泊めさせてもらったのよ。」

「え?」

「昨日夜月が途中で寝ちゃったから、このままここで寝ようかなって。」

「…?」

「とにかく泊めさせてもらったことだけ覚えてて!それでいいから!」

「……そうか。」

なんなんだ…?何が起こってるのかさっぱりわからん……。まぁ、あんまり深く考えるのも面倒だからいいか。

「…またやれたらいいな…。」

「なんか言ったか?」

「っ!ひ、独り言よ!」

「そんな強く言わんでも…」

「うるさいわね!独り言なんだから聞かないでちょうだい!」

「わかったわかった、黙るから…」

「…。」

ちなみに今日は特に何もなかった。まぁ、部活もないし文化祭の準備も無いからな。強いて言えば、鈴凪のやつが珍しく欠席したってことぐらいか。アイツ、いつもなら絶対に欠席しないはずなのに。んでそれに連鎖したのかはわからんが、屋上がまた人で溢れてた。ふざけんな。まぁ氷見子が二人きりになれる場所見つけておいてくれたから良いんだがな。

水曜日問題の

「さて、今日も張り切って文化祭の準備やっていくわよ!みんなしっかりね!」

またもやクソめんどくせぇ時間になった。氷見子と離された挙句他の女子と一緒にさせられるのはキツい。ただ3回分で終わると言っていたミリカの事を考えると、今日の5限で終わるはずだ。3回分ってのが一時間分ってことなら。そうじゃなかったとしても、今週の金曜日に終わるはずだ。そしていつも通りなぜここなのかと思いながら裏庭へ向かう。

「あ、待ってました。」

「…おう。」

「じゃあ、今日もよろしくお願いします。」

「今日で終わるのか?」

「へ?」

「今日でこれが終わるのかって聞いてんだ。3回分なんだろ?」

「今日じゃ終わらないです…。」

「なら金曜日か?3限分じゃ無いなら金曜日で終わるだろう?」

「えっと……申し上げにくいんですけど…」

「あ?」

「3回分じゃ終わらないです。」

「は?」

…ゑ?

「3 回 分 じ ゃ 終 わ ら な い だ と ?」

「終わらないです。」

「なんでだよ」

「先生にもっとこだわりを加えろって言われて…それで3回以上かかっても良いからやれって感じです。」

「俺の練習時間減るんだが?」

「その辺は先生がなんとかなるって言ってました。」

「ならねぇよバカ」

「私に言われても…」

FU☆ZA☆KE☆RU☆NA

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