黒と黄2 光のりんご飴

黒と黄2 光のりんご飴


「りんご飴はいりませんか?」


「こんにちは。お嬢さん。りんご飴を一つくださいな。あいにく今はお金を持ってないんでね。占いでもいいかい?いいんだね。一つもらうよ。」


「駄目です。しっかりお金を払ってください。」


と、抗議するも、全く、聞く耳を持ってくれない。そして、お金を払わずに食べた。無銭飲食である。しかも、そのおばあさんが食べたのは、金箔をすりつぶして、使った、ものだった。


「わたしゃ、手相占いでね。手を出してくれるかい。」


私は、諦めてそのおばあさんの言う通りにした。

すると、


「おぉ、これは大変だね。これを買うといいぞ。」


「え?」


「とりあえず代金。占い分もつけでのぉ。」


「あのぉ、まずそちらが、代金を払ってもらえますか?」


「なぜじゃ。」


「いや、りんご飴の代金払ってないじゃないですか。」


「そのことは、解決したじゃろ?」


「いや、それなら、占い代払わなくていいですよね。」


「何を言ってるのじゃ。お主が無料にしてくれたんじゃろ?」


なんと、このおばぁさん。強者で、なかなか、引き下がらない、そして、デタラメをたくさん言う。


「デタラメを言わないでもらえますか?」


「デタラメは、お主のほうじゃろ?それ以上するなら、警察を呼ぶぞぃ。」


「どうぞ。ご勝手に、一方的に、そちらが悪いので。」


すると、

ウーウーウーと、パトカーの連続音が聞こえてきた。


「通報されたのはどなたですか?」


「私です。」


「莉穂警部補でしたか。無銭飲食したのは、どなたですか?」


「この人です。あと、私は、もう警察は、やめたので、警部補ではありません。」


「そうなんですね。って、詐欺容疑で指名手配中の、乃木璃乃じゃないですか。詐欺されなかったんですか?」


「デタラメで、お金払えと、言われました。」


「そうですか。詐欺容疑と、無銭飲食ですね。」


そうして、おばあさんは、逮捕された。


「くそー〜」

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