2024/1/26 クォーターバック論

 今季のNFLも残り3試合となりました。

 ということは、もう今季が終わったチームが28あるということでして、ドラフトに向けての話が増えてきております。


 前述のように、シカゴ・ベアーズは2年連続となる1巡1位指名権を持っており、スーパーボウルが終わってから、ドラフトでは王者のように振る舞えます(笑)


 その論点はというと、「新しいクォーターバック(QB)を指名するのか、引き続き今の路線で行くのか」ということで、どうも新しいQBを指名するんじゃないかという予想が多くなっています。


 そもそも、基本的にNFLは「困ったらQB」という信仰に満ち溢れた世界です。


 と言っても、「QBって何?」という感じではありましょう。

 中々説明が難しいのですが、投げたり、走ったりと攻撃の全権を司るポジションです。アメフトのプレーの95パーセントにはどっちかのチームのQBが関与しています。

 ですので、凄いQBは当然凄いアメフト選手になるわけですね。


 アメリカンフットボールは日本ではあまり知名度のない競技ですが、知っている選手を聞いた場合、出て来るとしたら下の4選手くらいではないでしょうか。


ジョー・モンタナ:20世紀最強選手。日本のCMにも出た。

トム・ブレイディ:GOAT(Greatest Of All Time[全時代で最も偉大])

ペイトン・マニング:ブレイディのライバル。

パトリック・マホームズ:当代最強。父パットは昔ベイスターズで投げた


 彼らは全員QBですね。

 QB以外で誰かとなると、モンタナの相棒だったジェリー・ライスかMLBでもプレーしたディオン・サンダースが辛うじてというくらいでしょうか。


 ということで、「優れたQBがいればチームが強くなる。チームを変えるにはQBを変えねば」ということで、強くないチームがドラフトで大学のトップQBを取るというのは基本戦略の一つとなっているわけです。



 しかし、実のところ結構怪しい感じもします。


 と言いますのも、QBは95パーセントのプレーに関与するわけです。

 だから、チームを助けるにはQBを変えるべき?

 いや、逆に考えてみるんだ(ジョナサン・ジョースター感)。

 相手チームのディフェンスは必ずウチのQBを狙うんだと考えるんだ。

 他の連中がダメなのに、QBが総攻撃されたら、すぐ使い物にならなくなるじゃないか?


 実際、上の有名人四人のうち、ペイトン・マニングはトップ指名選手ですが、マホームズは1巡10位、モンタナは3巡指名、ブレイディに至っては6巡199位という順位です。

 49ersのブロック・パーディーに至っては栄えある最下位指名(7巡262位)です。それでもルーキーシーズンから2年連続チームをリーグ・チャンピオンシップまで連れてきました。


 素晴らしいQBがメシアのごとくチームを救ってくれるという、QB信仰は、実は間違っているんじゃないかという感があります。


 他をきちっと整えて、そのうえでそこそこやれそうなQBを下位で拾ってくる。

 意外とこちらの方が良いのかもしれません。

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