第15話

と言うことで、俺達は今後の会議をすることになった。


「とりあえずさぁ、そのDVな夫とは離婚しないの?」


「・・・」

春は答えない。


「とりあえず・・・する気はないってことだね。じゃあ帰れば」


夏の言葉が春に向く。


夏は当然その言葉が、雪ちゃんに危険になることはわかっての言葉だろう。


だが、どっちみちそのこと向き合わないといつまでこうしている訳にも行かないのだ。幼稚園、保育園、小学校。出来れば小学校に入る前にどっちかには行かせて子ども同士の交流もさせないといけないし、


それにこういうのは時間が経つほど帰りずらくなる。そして、兄の怒りも強くなり、結果雪ちゃんが危なくなるだろう。


「・・・それは嫌だ。今は・・・何されるかわかんないし」


「でも、それで優を巻き込むのは明らかにおかしくない?」


全くのそのとおりである。


「だって、優は元彼だし、優はわたしのことをよく知ってるし」


「それも関係なくない?つか元彼なら結婚してるんだし、尚悪いでしょ。つか元彼じゃなくて義弟だし、知らなかったから、優もショックで苦しんだんだから」


全くのその通りである。自分の言いたかったことをずばっと言ってくれる。


「・・・あなたには関係ないでしょ!!」


春は怒り出した。


あー、もうこれは話聞いてない。自分の言いたいことしか言わなくて、周りの話は都合のいいことしか聞けないパターンの人間だ。いやそうなってしまったんだな。

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