ひよわなヒーロー



  ひよわなヒーロー



郊外のスーパースターに

刻みつけた傷と皺から

割って 入って

芽が出て 育って

花咲いた。

緑色の肌を横目に見ながら

動かない瞳から飛び出した

キミってもうツタだらけ


いつまで街を見下ろすのか

知ってる苦い雨粒が

消えかけの街灯から

ぽたり。

変に思われたくない警官が

帽子を深めに被って

風船のキラメキから

後ずさり。


偉そうな管制塔が空を支配して

滑走路は短くなりすぎた

飛ぶには二・三の羽ばたきと

少しの科学が必要だ


ぶっ飛ばした一等星の輝きが

弱まって遠くなる

作った巨大クレーターは

須らく観光名所か採石場になって

アスファルトの追撃を食らう

君が生きてた最後の世界も

ピストルで吹っ飛んだ


今どこにいるんだろ?

たまには電話してね

ヒーローくん。

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