サンゴ


   サンゴ


打ち捨てられた砂浜

ガラクタの山

そこにサンゴが流れ着いたんだって

知ってるよ。

知ってたんだ。


空はいつでも晴れてるけど

それでいいんだろうか。

こうして砂に足を取られてると

埋まった古時計の秒針の響きさえ

伝わってくる気がするよ。


少しステップ気味に

砂浜散策しよ。

不思議な陽気に

クラリときてしまいそう。


さざ波の近くでうずくまってると

なんとなく体が軽いよ。

ひっくり返ったテレビに

映るチャンピオン二人。

慰めようとしてるのかも。


この海岸は

切り絵みたいなもの

青空がここを切り取って

初めて見えてくる。

サンゴの輪郭も

そうやって思い出すんだろな。


赤い肌と

輝く斑点

今はもう

白くなっちゃったんだよね。

少しステップ気味に

現実逃避しよ。

待っててねサンゴ。

会えるのはもう少し

かかりそうだよ。

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