第8話 オマケ閑話フィルメルン王国の人たち


ロイside


何が起こったんだ……震えが止まらない。

僕は大好きな姉さんに何て事を、目を閉じると僕の口が姉さんを罵る映像が浮かぶ。


コレは……現実に起こった出来事なのか?


小さな時から僕の事を可愛いがってくれ、眠れない夜は一緒に寝てくれた。


僕のわがままを嫌な顔せず

「ロイは特別だからね?」

これが姉さんの口癖だった。それが聞きたくて僕はわがままを言う。


僕は姉さんと結婚したかった。

でも姉弟では結婚出来ないから、姉さんの側で支えて行こうとこの気持ちは諦めた。


それなのにあの女に全てを壊された。

初めの印象は、へんな色目を使ってくる気持ち悪い女だと思っていたのに。


思い出す記憶の僕の姿は、あの女に媚びている。

気持ち悪くて吐き気が止まらない。


さらに僕を絶望に追い込む話が入ってくる。

姉さんは国外追放ではなく、魔の森にドレス姿のまま捨てられたと‼︎


「何でだよ!姉さんっ……ぐふっ。嫌だ……! 結婚出来なくても良い! 生きてさえ居てくれたなら……それだけで良かったのに! 大好きな姉さんは……魔の森で消息を絶った」


武器も何も持たない女性が、魔の森に捨てられて生きている筈がない。

でも……神様お願いです! 僕の命を差し上げます。だから姉さんを殺さないで。


大切な姉さんを、こんな目に合わせたリリアを僕は絶対に許さない。

死んだ方がマシなくらい絶望を与えてあげる。



レイモンド皇子side


私とアリスティアは小さな時に婚約者となった。

始めはアリスティアに何も感じ無かったが、純粋無垢なアリスティアに冷めきり凍っていた私の心は癒され溶けていく。


アリスティアに溶かされる心の気持ち良い感情。

これが愛おしいと気づいたのはいつだったか。

アリスティアは、私に対して恋愛の感情がないないのが分かる。

でも……いつか私だけを見て欲しい。

愛しい感情を共有したい。


ゆっくりと時間をかけて……愛しあおうと思っていたのに!


なのに! 何だ!


竜王が来てから、私の頭の中を知らない映像が支配する。


可愛いアリスティアを忌々し気に罵る私。

嫌だ。アリスティア……そんな目で私を見ないでくれ。

リリアと言う女に媚びる自分が気持ち悪い。

誰かこの映像を消してくれ!!


何でこんな嫌がらせをするんだ。


これは魅了魔法だと竜人達が教えてくれた。

 

魅了魔法に、かからないブレスレットを竜人が渡してくれた。

コレを付けていたら、私は魅了などにかからなかった。くやしい。

私はこんな事で愛しい婚約者を失ってしまった。胸が苦しい。


リリアがアリスティアを魔の森に捨てさせた。と情報が入ってきた。

どこまで屑な女なんだ。


私の唯一の癒しの光を奪ったリリア。


許さない。楽に死なせてあげないからね。


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