選ばれない、ということ

誰しも「自分は特別だ」と思う。絶対に選ばれる、絶対に負けない。その根拠のない自信は一体どこからくるのだろう。
恋愛で仕事で、あるいはスポーツやコンテストで、選ばれた人がいる一方、それ以上に選ばれなかった人たちが溢れている。選ばれた人たちはほんの一握りで、選ばれなかった人たちは砂丘の中のほんの一粒に過ぎない。

なぜ私ではないのだろう。なにが足りないのだろうと、どこか自分が欠落した人間に思えてくる。
「ありふれていて見え透いていて」の登場人物たちも、みんなそうだ。だんだんと恋愛感情なのか執着なのか、もう自分でもよくわからなくなっている。でもその感情の正体など、もはや何だっていい。
一方、選ばれた人だって幸せで終わらない。選ばれた人はまた別の、選ばれなかった誰かだ。

これは私の見解ですが、どこか綿谷りささんの「とどきますか、とどきません」に通ずるさみしさ、切なさを感じました。

以前、読んでいたとき途中で非公開になってしまい「つ、続きは〜〜〜!?!?!?」と、ずっと気になっていたので今回リメイクしてくださって、本当に本当に嬉しかったです!!ありがとうございました!!!