【女の事件】アタシ、ダンナの妹からグロウされたかも…

佐伯達男

第1話

時は、2019年2月13日の夕方5時半頃のことだった。


場所は、今治市松本町にあるマルナカ(スーパーマーケット)の店内にて…


アタシ・門脇よしえ(38歳・専業主婦)は、レジで大パニックを起こした。


この日の朝方、ダンナ・晴彦(46歳・管理職)から『(部下の)須恵すえくんが大喜びするとびきりの料理を用意してほしい…』と頼まれた。


ダンナは、部下の人を連れて帰宅する予定である。


アタシはこの時、お献立を考えるのがものすごくイヤだった…


なので、プレーンオムレツとグリーンサラダを作ることにした。


話は、レジで精算をしていた時であった。


(ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ…)


レジの人は、アタシが買った品物をレジに通した。


アタシの後ろには13人のお客様がいた。


レジの順番待ちをしている人たちは、ものすごくイライラしていた。


そんな時に、アタシは凡ミスを犯した。


(ピーッ…)


レジの人が合計の金額をアタシに伝えた。


「全部で4706円です。」

「えっ?」


この時、アタシの耳にレジの人の声が届いていなかった。


レジの人は、ぼんやりとした表情を浮かべているアタシに対して『精算してください!!』と言うた。


ああ!!


いけない!!


アタシは、あわてた表情でサイフの中からワオン(電子マネー)カードを取り出したあと電子マネーの機械にカードをかざした。


しかし、電子音ワオンが鳴らなかった。


困ったわ…


どうしよう…


いつもだったら『ワオン』って鳴るのに…


おかしい…


大変!!


カードの裏面にあるバーコードに傷がついていた!!


アタシは、ワオンで決済することをやめて現金で払うことにした。


この時、アタシはすっとんきょうな声をあげた。


「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!卵を買うのを忘れたーーーーー!!」


すっとんきょうな声をあげたアタシは、大急ぎで卵を取りに行った。


この時、レジの順番待ちをしていた人たちが怒鳴り声をあげた。


「コラ!!」

「どこへ行くのだ!!」

「逃げるな!!」

「ごめんなさい〜すぐに戻ります〜」


アタシは、大急ぎで卵が置かれている売り場へ向かった。


この時、レジ待ちをしている人たちの怒りがさらに高まった。


「オラオドレ!!ふざけとんか!!」

「早く帰って、子どもに晩ごはんを作らなきゃいけないのよ!!」

「ふざけるな!!」

「戻ってこい!!」


卵が置かれている売り場にアタシが到着した時であった。


赤茶色のバックの中に入っているギャラクシー(スマホ)の電話の着信音が鳴っていた。


なんなのよ一体もう…


アタシは、バックの中からスマホを取り出したあと電話に出た。


電話は、ダンナからであった。


ダンナは、アタシに対して『きょうは晩ごはん作らなくてもいい…』と言うた。


アタシは、思い切りブチ切れた。


「もしもしあなた…アタシはまだマルナカにいるのよ…部下の人に待ってと…きょうは作らなくてもいいって…あなた!!一生懸命になって夕食のおこんだてを考えているアタシの気持ちをさかなでにする気ね!!もう怒ったわよ!!今からあんたの実家へ行くわよ!!」


(ガチャーン!!)


思い切りブチ切れたアタシは、レジに品物を置き去りにしたあとダンナの実家へ向かった。


ダンナは、またアタシをぐろうした!!


今までガマンして暮らしていたけど…


もう限界がきたみたい!!


ところ変わって、松本町にあるダンナの実家にて…


ダンナの実家は、今治市の中心部にある小学校の通用門側の三差路の右下側…


くわしく言うと、通用門側の右下側の家からユニクロ今治店へ向かう方向寄りへ5軒先(金物店の大型倉庫から3軒先、税理士事務所から2軒先)の優先道路の交差点付近にある新築の家であった。


家の居間には、ダンナの両親・隈代学くましろまなぶきぬよ夫婦(70代)とダンナの妹・はな(32歳・OL)とダンナとダンナの部下・須恵勝祝すえかつのり(24歳・工場従業員)がいた。


この日は、はなが勤労青少年ホームの料理教室で習得した料理で晩ごはんを食べる予定であった。


台所にいるはなは、料理教室で習得したフォンドヴォー(仔牛の肉)のシチューを作っていた。


夕方6時に数分前のことであった。


アタシは、ものすごい血相で家の広間に入った。


ダンナは、アタシに対してやさしい声で『待っていたよ…』と言うた。


思い切りブチ切れたアタシは、ダンナの顔をみるなりにパンプスでダンナの頭を激しく殴りつけた。


(ガーン!!)


「いたい!!」

「あなた!!」

「なんでオレを殴るのだよ!!」

「ふざけるな!!よくもアタシをグロウしたわね!!」

「グロウしていないよぅ…」

「説明してよ!!なんで料理を作らなくてもいいと言うたのよ!!」

「よしえ…許してくれ〜」


端にいた義父は、おたついた表情でアタシに言うた。


「よしえさん…悪いのはワシじゃ…晴彦にはなんの落ち度もないのだよ~」

「やかましいわねクソシュウト!!ぶっ殺してやる!!」


思い切りブチ切れたアタシは、近くにあったニポポ人形を手にしたあと義父に殴りかかろうとした。


この時、義母が困り果てた表情で説明した。


「よしえさん、落ち着いてよ……アタシたち家族はよしえさんが怠けているとは言うてないのよ…」

「やかましい!!よくもアタシをグロウしたわね!!」

「ちがうわよ…きょうは、はながお料理教室で習得した料理をみんなに食べさせてあげたいから晴彦とよしえさんにうちにおいでと言うたのよ…」

「やかましいクソシュウトメ!!もう怒ったわよ!!」


この時、義父が泣きそうな声でアタシに言うた。


「よしえさん…わしらはよしえさんに少しは休んだ方がいいよと言うたのだよ…」


義母は、ものすごく困った声でアタシに言うた。


「よしえさん…はなは4月におむこさんをもらうのよ…おむこさんにとびきりの手料理を食べさせてあげたいから一生懸命にがんばっているのよ…一生懸命にがんばっているはなを応援してあげてよ…」


義母から言われたアタシは、返す言葉がなかった。


だからアタシは、気乗りしない声で『分かったわよ…』と返事をした。


義父母は、アタシが理解したので『よかった…』と言うてむねをなでおろした。


「よかった…」

「そうねぇ…」

「ああ、お腹がすいたな…」

「きょうは、はなのお手製のフォンドヴォーのシチューよ。」

「そうだな…」

須恵すえくん、須恵すえくんもはなのようなやさしいお嫁さんがいたらいいね。」


義父母は、ニコニコした表情で勝祝かつのりに言うた。


この時、ヴェネトンのロゴ入りのエプロンをつけているはながシチューが入っているお鍋を持って居間に来た。


思い切りブチ切れたアタシは、よりし烈な怒りをこめながら平手打ちではなの顔をたたいた。


(パチーン!!ドサッ…)


同時に、はなが持っていた鍋が床に落ちた。


できたてのシチューが床にこぼれた。


「いたーい!!」

「ふざけるな!!よくもアタシをグロウしたわね!!」


この時、ダンナは大パニックを起こした。


ダンナは、ものすごくおたついた声でアタシに言うた。


「よしえ…」

「なによあんた!!」

「どうしてはなを殴るのだよ~」

「あんたの妹がナマイキだから殴った!!」

「ちがうもん〜」

「ふざけるな!!」


(パチーン!!パチーン!!パチーン!!)


アタシは、よりし烈な力を込めてはなの顔を平手打ちで叩いた。


はなは、顔に大きな傷を負った。


その後、アタシは義父母に対してシツヨウに物を投げつけるなどして暴れ回った。


ダンナは、アタシがこわいのでおびえていた。


よしえ…


やめてくれ…


家庭いえがこわれるからやめてくれ…


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