3.とりあえず改行を入れよう。話はそこから

 「読者は覚えていない」という注意点を頭に入れたら、さっそく一話書いてみましょう。書いた?そうしたら最初にやることは成形です。具体的に言いいますと、


「改行を入れましょう」


 ぐちゃっと改行がない小説、あれ読んでくれないです。一方、改行が多すぎるのも同じことですね。

 そしてみんな言ってますが、大事なのは改行のメリハリです。


 4行、2行、1行みたいな文をそれぞれ一塊としてリリズミカルにメリハリをつけていきましょう。地の文で5行を超えるような黒い塊は良くないです。会話でも6行ぐらいまで。

 要するにマンガの吹き出しだと思えばいいです。大抵4行までしかないでしょ。かといって1行ばっかりもメリハリがなくてだめですね。


 ここで改行について私が気にしているのは、「4行のところは雰囲気説明的なディティールを、1行のところは重要な情報を書く」ということだったりします。


 人間の目からすると4行の塊はごちゃっと見えて目が滑りますし、逆に前後が空白の1行のところは強調されて目が留まりますよね。


 極端に言うと1行の部分だけ抜き出して小説として意味が通じるとよいです。


 4行の部分はあくまで雰囲気として読み飛ばされることを前提にしておくと読む方もメリハリ付いて楽です。読みやすいと言われる作者さんは、この辺いろいろ工夫していらっしゃいますね。


 私の小説「双子の義妹のどちらかがベッドにもぐりこんでくる」はかなり意識して改行を使ってますので良かったら読んでみてください。


 参考:双子の義妹のどちらかがベッドにもぐりこんでくる

https://kakuyomu.jp/works/16817330667406755788




 ―― 改行を整えたら試してみるといいこと



 一話目を書き終わって改行も整えたら、試しにまるっとchatGPTに突っ込んでみましょう。


「これはカクヨムコン向けのラノベの冒頭です。ライトノベルの編集者として改善点を具体的に指摘してください―」


 という文章の後にさっき書いた文章をコピペして入力するといろいろ言ってくれます。わりと身も蓋もないこと言われると思いますが、実際の読者の生の感想はそんなものですから言ってくれるだけ親切です。

(chatGPTは無料の3.5だと2000文字ぐらい。有料の4.0だと1万5000文字ぐらい入ります。有料の方は月20ドルですが人類の今世紀最大の発明の一つが月20ドルは激安ですよ)


 ところで、もちろん作者としてもAIに言いたいことはあると思いますが、例えば「長編なんだからそういうのはもっと後なんだよ」とか。でもweb小説ってそんなものですからね。作家は作品で語るものなので仕方ないです。


 さて、こんな感じで読者がどう思うかをAIに読ませて把握したところで、小説の方も最初の3話ぐらいまでに一度、山場というかカタルシスを解消する場面を入れると良いと思います。

 実際、そういう山がないと読者も★の付けところがないんですよ。


 というのも、カクヨムって★が付かないとサイトからの導線がまったくないんですね。★がつかないから読者が増えないから★がつかない負のスパイラルから抜け出せなくなるので、読者の★の付け所は意図的に考えとかないと結構大変です。


 参考:chatGPTに担当編集者になってもらおう

https://kakuyomu.jp/works/16817330666480263833


つづく

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