第13話

「おはよ〜」


「あっ奏音くんおはよ!」


 二日目の朝、姉さんの生徒会の関係で早く来ると一ノ瀬さんが先にいた。


「一ノ瀬さん早いね」


「奏音くんこそ!」


 若干気まずい時間が流れる。

 正直異性しか居ない空間ってキツイな。前世で読んでたときはハーレムじゃんいいなとか思ってたけどさ。


「一ノ瀬さん一条くんおはよう〜」


「天野さんおはよう!」「おはよ〜」


 天野さんっていうのかこの子。てかなんかテレビで見たことあるような...


「桜ちゃんって呼んでも良い?」


「全然大丈夫〜。私も華音ちゃんって呼ばせてもらうね」


「おっけ〜!」


 こうやって友達ってできていくのか。でも異性のこと下の名前で呼ぶのってなんか変...いやそんなコト考えててもしょうがないよな。


「僕も二人のこと下の名前で呼んで良い?」


「えっ、いいの?」「いいよ!!じゃあ私も奏音って呼ばせてもらうね!」


 一ノ瀬...華音さんは喜んでくれているが天野さんはちょっと不思議な反応をした。


「ごめん、嫌だった?」


「全然、でも男性が下の名前で呼んでくれるなんて初めてだから」


 あー...なるほど。ってか他の男にあったことあるのかな?


「他の男と会ったことあるの?」


「うん。ドラマの撮影でなんどか」


 ドラマか!なんか見たことあるなと思ったら。


「へぇ〜!!!私奏音くん以外の男性と話したことないからどんな人がいるのかきになる!」


「僕も男と会ったことないなあ。でもだいたい僕みたいな感じじゃないの?」


「奏音くんみたいな人なんて全くいないよ。女全員、とくに家柄があまりよくない人たちにはひどい扱い」


 えぇ...男が女性に優しくないってなんの昭和だよ。


「え、テレビでは良い顔してるし女優さんなんかも男性はみんな優しいっていってたよ?」


「男性に気に入られたい人たちの戯言だよ。だから男性が関係するコメディ番組に出る人っていうのは芸能界では嫌われてることが多いよ」


「「へぇ〜」」


 なんかちょっとテレビの見方変わるかも...


「私も一条くんのこと奏音くんって呼んでも良い?」


「もちろん。これからよろしくね、桜さん」


「よろしく〜」


「そういえば二人ってどこの部活は入るの〜?」


 華音さんが聞いてきた。


「僕は吹部かバスケ部で困ってるんだよね」「私は帰宅かな」


「桜ちゃんは帰宅かぁ〜。そりゃ今をときめく子役だもんね」


 あ、もしかして桜さんって有名な子役だったりする?

 ドラマとかあんま見てないのがここに響いてくるか...これからはちゃんとみとこ。


「吹部かバスケ部かぁ〜。バスケ部って多分マネだよね?」


「だと思う」


「でも二人共テニス部じゃないのかぁ」


 華音さんはテニスか。なんかそれっぽいな。


「華音さんはテニス?」


「うん!小学生の頃からしてきたからね」


「すごいなぁ。あ、もう時間じゃん」


 言いたいことは有ったがHR開始一分前なので遮るしかなかった。


「じゃあ次の休み時間で」


「「はーい」」

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