第2話

Pさんのいきつけの宝飾品店へと向かいます。

「彼女、ピアス開けたいんだって」

ペルーでは子供の頃から開ける習慣があり(むしろ大人になってから開ける人は少ないのかもしれません)、宝飾品店の女主人も、もう何人もに穴を開けてあげているそうで、「私に任せなさい」という雰囲気に。

まだ迷う私に、「ほら、どれがいいの?」と、ファーストピアスとして適切な小さいピアスの中から、早く選ぶよう促されます。

一月くらいずっとつけていなければいけないので、できるだけ小さくてどんな服装にでも合いそうな、白いラインストーンがついたものを選びました。

他には、金でできた球状のもの、小さなトリボルチャ(三つ葉)、ハート型などもありました。

トリボルチャにも惹かれていたのですが、Pさんから、

「面積が大きいと服に引っかかるから引っ張られて穴に傷がつきやすくなるし、洗うときに構造が複雑だと清潔に保つのが難しいから、今はやめといた方がいいよ」

との指摘を受けて、シンプルなものにしたのでした。


「ピストルを使うの?」

と言ったら、店長は微笑みながら、ヤスリを取り出してピアスの先を研ぎ始めます。

まさか…。

そして、私の耳に白い軟膏をすりこみ始めました(軽い麻酔の軟膏。日本でも使われているものだそうです)。

そうして、先端を尖らせたピアスをそのまますーっと耳たぶに差し込んだのでした。

特に痛さはありませんでした(後で麻酔が切れたころ、少しひりひりしましたが)。

Pさんからは「これでめでたく穴あきになったね」と言っていただいたのでした。


昔はアルコール消毒をしていたそうですが、最近は、消毒すると傷の回復を助ける菌も殺してしまうので、よくないとも言われているようです。

Pさんからは、とりあえずシャワーの際に、石鹼を泡立ててさっと洗い水で流してきれいにしておくことが大事だ、とのアドバイスを受けました。

あと、意外と髪に汚れがついていて、それがもとで傷が悪化することもあるので、できるだけ髪がかからないよう、まとめたりピンでとめておくようにとも言われました。

ちなみにペルーでは、シャワーはあっても湯舟はないので、血行をよくしすぎないように湯舟につからないほうがいいのかどうか、という問題については、対象外でした。


ピアスを開けてもらったお店よりも、もう少し庶民的なお土産屋さんで、トリボルチャのような、パンジーのような、つるすタイプのピアスを買いました。

売り子のおばさまは、どちらかというとワイルドな顔立ちの方でした。、私が買ったのと同じピアスをつけていて、よく似合っていました。Pさんに、

「あなたの顔立ちには、このピアスが似合う」

と言われたのは、暗に私もワイルドな顔立ちをしているとほのめかされていたのかもしれません。


穴を開けたあと、みんなでアイスクリームを食べに行きました。

ルクマとチョコのアイスに添えられていた、ピカチューを模したグミ(ピカチュン?)を食べたら、なんと前歯の端っこがチラッと欠けてしまったのでした。

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