第3話 精肉店

私は精肉店を営んでいる。

母、父、兄の4人家族で回しているのだが、最近は段々と客が減り、生活が厳しくなってきていた。たまに心配して常連さんが買って行ってくれるのだが、それ以外はこれっぽっちも来ない。


そろそろ店を畳もうかと思い、友人に相談すると、

「今どきネット使わないと売り上げを上げようにも上がらないよ。」

と、言われた。


半信半疑ではあったものの、ネット通販のサイトを作ってみた。

すると驚く程売れて行き、口コミの評判も良く瞬く間に人気店となった。私の友達ナイス!

もも、ひれ、タン、リブなど種類だけは豊富なうちの店は、売れ行きが伸びていく一方なので肉が足りなくなり、1人で解体作業や配送手配などをこなすのは大変だが、これも贅沢な悩みなのだろう。


ネットだけでなく店にも客が集まるようになったころ、こんなお客さんが来た。

「足と手はありますか?」

ほう、足と手があることを知ってるとは、中々な通だな。


そろそろ解体した肉が足りなくなってきた。

仕入れしないと。

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