第10話:戦い終わって。

「ハジメさん、大丈夫?怪我ないですか?」


ミンクがハジメを心配して降りてきた。


「大丈夫だよ、ここまで被害はなかったからね」


「あいつらまた来るかな?」


「来たら返り討ちですね」

「でもストロベリーなんて、まだ弱いほうです」


「宇宙にはカオスみたいにもっと強いやつがいっぱいいますからね」


「上には上ってことか・・・」

「そう言うやつは、頼むから 来ないでほしいな・・・」


「地球って、地球自身も生き物も弱っちいから、狙われやすいんですよ」


「それは分かる気がする・・・俺も弱っちいから」

「ところで君って、本当になんとかって星の王女様なの?」


「なんとかじゃなくて、第10惑星4771-1002、セーブルです」


「王女様って一般的には、もうちょっと上品ってイメージじゃなかったっけ?」


「私、そんなに下品でしたか?」

「一応、敬語ではしゃべってるけど・・・強気って言うか・・・」

「もうちょっと女の子らしくしたほうが可愛く見えるって言うか・・・」


「これでも目一杯遠慮したんですけど・・・」

「私はハジメにふさわしい彼女にはなれませんか?」


「そんなことないよ、君はそれでいい・・・それがミンクだから」


「私、ハジメさんの望む女になってあげようと思ってるんですけど」


「まじで?」

「めっちゃ嬉しいな・・・それ」


「あはは、ウソ・・・真に受けて」


「ウソ?・・・もうからかうなよ」


「私たちは縁があって仲良くなれたけど、まだ時間が必要ですよ」


「そうだな、ゆっくりでいいか・・・」

「それに私、一応王女ですよ?、いずれは旦那様を目取らなくては

いけない立場です」

「ハジメさんにセーブルまで来てくれます?」


「そうなんだ・・・もしそうなったら俺、養子になるんだ?」


「まあ、そうなったらミンクについて行くよ」


「来るんですね」


「ところでさ・・・」

「君の持ってた杖って、どこから出てきたの」


「あ〜あのワンドね・・・ケーリュケイオンって言って、 神様が正義のために使う

ようにって条件で私に授けてくださった魔法のワンドで・・・」


「だから私にしか使えないんです」


「普段は分子レベル状態で空中に浮遊してて常に私の周りに漂ってるんです

でね、 私が呼び出せば結合して瞬時に杖になって現れるって仕組み」


「すごい杖・・・ワンド?だね・・・」


「それにどこの世界にも神様っているんだ」


「ベゴニアピコティって神神様がこの宇宙を作ったって・・・私は教えられ

ましたけど・・・」


「そうなんだ・・・宇宙は謎だらけだね

「でも、ミンクのおかげで地球は救われてよかった」

「ミンクがいあなかったら今頃はイチゴのオバささんのいいなりになって

たからね」


「ここを、あんな淫乱おばさんに占領されたくないでしょ?」

「ハジメさんと仲良しこよしでデートできなくなりますもんね」


「ここはセコいエイリアンも混じってますけど、それでも表面上は平和ですから」

「地球の人たちも、そういう方たちと折り合いをつけて仲良くやってるみたい

ですしね〜・・・」


「世の中さ、善だけじゃいけないんだよな、少しは悪もないとね、それでバランスが

取れてるんだよ」

「表があるから裏があるみたいに・・・」

「この世に男と女がいるようにね」


「ハジメさんなんか哲学的ですね」


「改めて思うと君は不思議な子だな・・・ミンク」


「そう?普通ですよ」


「あんな、すごい立ち回りしといて、普通?」


「そ、あれが、普通の私・・・そんなことより・・・」

「戦ったらお腹空いちゃいました・・・お家へ帰りましょハジメちゃん」


「え?ハジメさんから、ハジメちゃんに変わった?」


「好きになった人とはそういうところから変えていかなくあちゃです・・・

ハジメちゃん?」


腹が減りすぎて、ミンクはハジメを抱えて彼の家に帰る気はさらさらなかった。

ふたりは通常どうり電車とバスを乗り継いで我が家に帰った。


まあ、そのほうが恋人同士のデートみたいでいいんだ。


つづく。


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