第3話:侵略者。

ミンクがハジメの家で、毎日ぷらぷら遊び呆けてる頃。

宇宙から地球を狙っているエイリアンが刻々と地球に迫っていた。

そいつらは、地球にいるセコいエイリアンと違って あらゆる星々を征服してきた、恐ろしいやつらなのだ。


「あ〜退屈・・・」


「地球にはまだ着かんのか?」


「ははっ、大いなるストロベリー様」


「今、減速中なので、あと30分あまりで地球に到着します」


「そうか・・・ご苦労・・・ザクロ」


ストロベリーと呼ばれたエイリアンは女で、きらびやかな装身具を身につけ、

手に金杯を持って偉そうにふんぞり返っていた。


その名は大淫婦ストロベリー。


名前はジューシーだが、とってもワルワルな女なのだ。

ザクロとよばれた男は、ストロベリーの腰巾着&第一幹部&使いっぱ。

頭は、たいしてよくないが大男で筋肉マッチョでバカヂカラの持ち主。


あとストロベリーの船には、半端なく強い傭兵「カオス」って宇宙生命体が

乗っていた。

「カオス」にはストロベリーでさえ一目置いていた。

「カオス」は緋色の体色をした生命体で、故郷の太陽が新星爆発したときに

宇宙空間まで吹き飛ばされ、遠い星々から届くエネルギーで生きていた。

宇宙を漂っていたところをストロベリーに助けられる。

カオスとスロトベリーはそれ以来の関係なのだ。


カオスは自身の原子配列を変化させ金属壁を通過できる能力を持っている。

そして雌雄同体であって自身の胎内にある卵を人間の内臓に植え付けて繁殖

を繰り返す。

普段は普通に人間の平均男性くらいの身長だが、一度、憤慨するとその容姿は

大きく変貌する。

体も大きくなって頭に牛みたいな角が二本生えてきて絵画の中の悪魔のように

なる変態系の生命体だった。


ストロベリーの手下のザクロなど、指一本触れただけで潰されるだろう。


「ストロベリー様、そろそろ地球に近づいて来ました」


「ザクロ、まずお前が地球に降りて偵察してくるのじゃ 」


「ははっ・・・私目がいち早く地球に降りて様子を見定めて参りましょう」

「どうせなら、そのまま征服してきてもよろしいでしょうか? 」


「任せよう・・・この地球も私のコレクションのひとつに加えよう」

「生存している生き物は一匹残らず殲滅せよ 」


「かしこまりました・・・」


さ、恐ろしいことになりましたね。

地球侵略の危機ですよ。


そんなことも知らない、ハジメとミンクは日曜日、呑気に街に買い物に

出かけていた。

ミンクの服を買ったり美味いスイーツを食べたり商店街のガーデニング

テーブルでくつろいでいた。


「楽しい・・・ハジメさんの街ってなんでもあって楽しいですね」


「ほとんどの物は揃うね」

「娯楽やイベントも充実してるし・・・」


「ますます帰りたくなって来ました」


「ずっといてくれていいからね」

「ところで考えてくれた?」


「なにをでしょう?」


「また〜しらばっくれて・・・」

「俺の彼女になってくれるって話」


「覚えてたんですか?・・・いいですよ・・・」

「なってあげます・・・いちいち催促されるのも、うっといですからね」


「まじで?・・・あとでや〜めた、なんて撤回しないでよ」


「姫に二言はありません!!」


「姫って?・・・姫ってなに?」


「いえ、そこは聞き流してください」


「彼女になって尺がえっますけど、チューはなしです・・・手くらいは繋いで

あげてもいいですけど・・・」


「え〜それって恋人同士のコミュニケーションだろ?」


「じゃ〜やめます・・・彼女」


「あ、ごめん・・・君の、ミンクの好きにいてくれていいから・・・あはは」


すでにミンクの尻に敷かれてるハジメであった。


「なんか・・・店内、騒がしくないか?」


「そうですね・・・」


「行ってみよう」


ハジメとミンクが、店内に入ると、客が全員テレビに見入っていた。

テレビではキャスターが緊急事態をアナウンスしていた。


数隻のUFOが現れて、中から出てきたエイリアンが「地球を侵略に来た」とか

なんとか言っていた。

そういうのは珍しくはないのだが、今回は少し様子が違ってるようだった。


ま、だいたい悪いやつが舞い降りてくるのは大都会と相場が決まっている。

上空から街の明かりを見れば、どこが賑やかな街か分かるわけで・・・。


間抜けなやつじゃないかぎり、ど田舎の畑のど真ん中に降りても

カラスが鳴いてるくらいだろう。

畑を耕してる年寄りを脅したところで鍬で追いかけられるのがオチだ。


つづく。

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