かぐや姫 誕生編

 昔むかし、ある処に竹取の翁というお爺さんとタケ・トリノという自分の脚で走った方が速いF1レーサーが居ました。

 ある日。タケ・トリノが山の中を自分の脚で走っていると、1本の光る竹を発見しました。不思議に思ったタケ・トリノが近くの岩に刺さっていたエクスカリバーを引き抜いて光る竹を斬ってみると、なんと中には光る女の子の赤ん坊が居ました。


 タケ・トリノは光る赤ん坊に一般人なのにかぐや姫と名付けると、光らない自分の家へと連れて帰りました。

 タケ・トリノが光らない家に帰ると、タケ・トリノの嫁である光るタケ・ナカハンベエが出迎えてくれました。

 タケ・ナカハンベエはタケ・トリノを出迎えると――

「お風呂になさいますか? ご飯になさいますか? それともいくさになさいますか?」

 と何処ぞの軍略マニアが言いそうな事を言い出しますが、これはいつもの事なのでとりあえず放っておいて、タケ・トリノとタケ・ナカハンベエはかぐや姫を薄っすら光る娘として育てる事にしました。


 ――のも束の間。かぐや姫は翌日には立派で美しい女性インフルエンサーにヤクルトを配るヤクルトレディ配信者になっていたので、もう特には育てる必要はなくなっていました。

 とはいえ、たった一晩で大人にまで成長したかぐや姫は、実は女性インフルエンサーをも凌ぐ美貌になっていたため、女性インフルエンサーの影響力もあってか瞬く間にチャンネル登録者数3500万人を超える人気配信者ヤクルトレディとなっていました。


 そしてその美貌と、正確無比にして電光石火でヤクルトを配る技と、回転寿司が止まって見える動体視力を世の男子達が放っておく訳もなく、その中でも「かぐや姫ガチ恋勢」と呼ばれる猛者達が厄介ファンを通り越して暴徒と化し、暴徒すらをも超越して新世紀の救世主となったので収拾がつかなくなり、仕方がないので生き残った者がかぐや姫に求婚出来る……という権利をかけ、時の権力者である帝が「かぐや姫ガチ恋勢を集めてデスゲームをしてみた結果」というデスゲームをユーチューブでライブ配信する事となった。


 当然BANされた。


 しかしライブ配信は途中でなくなったものの、デスゲーム自体はちゃんと開催されたので「見たら死ぬ絵画を綺麗に二度見する」や「3日間エサを与えていないライオンの檻の中でライオンより先に餓死する」や「ゾンビだらけのショッピングモールでライオンより先に餓死する」などの超過酷なデスゲームを経由して最終的に生き残った5人の猛者達がかぐや姫へのプロポーズの権利を獲得しました。

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