シンちゃんのイギリス編
第19話 シンちゃんとギター
「
俺は明日の帰国に向けて部屋で荷造りをしていたら親父がやって来て、いきなり謝られた。
「Don't worry! 気にするなよ!
確かに親父の仕事が忙しくて全然顔合わす事がなかったけど、ギターがあったし、師匠やジェス達が居てくれたから全然寂しくなかったよ! それに……」
俺はジャラーンとギターを鳴らして、
「アイツと約束したんだ!
俺、すげーギター上手くなって帰るって! それで帰ったら三人でバンド組んでアイツの店でライブするんだ!」
※
ー五年前ー
俺は親父の仕事の関係で日本からイギリスにやって来た。世界地図見て日本とこんなに離れてるなんて初めて知ったよ! もちろん英語なんて喋れないし、知り合い、友達も居ない。母親は病気がちで俺が三歳の時に天国へ行ってしまった。
寂しい。……アイツに会いたいな。
最後の日にボロ泣きのアイツを見て、俺まで泣いちゃったからな、アレは恥ずかしかったよなー。
ん? ……アイツの弟の
何だ? 家と裏の駐車場潰してライブハウスにするって! そーいやアイツん家の両親はミュージシャンだったっけ?
よしっ! ここはロックの本場イギリスだし、俺はこれからギター上手くなってアイツを驚かしてやるぜ!
※
親父にギターをやってみたいと言ったら、知り合いでギターが上手い人が居るからって連れて行ってくれたのがリチャード夫婦の家だった。
奥さんが日本人で、何と親父の高校の同級生だったみたいで、リチャードも日本語がカタコトだけど喋れる、これは嬉しい!
俺は自分から何かしたいとか親父に言った事が無かったから、どうやら親父は嬉しかったみたいだ。
ただ俺は母ちゃんが居なくなってからも親父は忙しそうだし、まぁ迷惑かけたくなかったからってのもあるけど、今までこれといってやりたい事もなかっただけなんだよなー。
リチャード師匠は若い頃、結構名の知れたバンドマンだったみたいだ! 今では夫婦で楽器の演奏が出来る小さなバーをやっている。そこには音楽好きの奴等が集まって演奏したり酒を飲んだりで勿論俺みたいなガキは居なかった。
子供が授からなかったリチャード夫婦は、いつも一人でギターを弾いていた俺を忙しい親父に代わって面倒を見てくれて、時に厳しく(特にギターは)そして優しく自分の息子の様に接してくれた。
だから親父が居なくても全然寂しくなかったんだよねー、奥さんの料理も美味いし♪
※
俺は日本人学校に通いながらとにかくギターが上手く弾ける様になりたくて、学校が終わるとすぐに家に帰って毎日夜遅くまで基本練習をした。一番の友達はメトロノームだった(苦笑)
師匠はとにかく基礎練をしっかりやれと、初心者はこれをしっかり出来る様にならないとダメだと、結局五年経った今でも言ってくる。
そしてロック以外にも、ブルース、ファンク、メタルにパンクと色々なジャンルの曲を聞かせてくれ、目の前で演奏して見せてくれた。Jポップやアニソンしか知らなかった俺にはとても新鮮で刺激的だったよ!
師匠はその後も、つきっきりで俺に技術を教えてくれた。
俺も少しずつ指が動くようになり、気がつくと色々なジャンルの曲が弾けるようになっていった。
※
そして二年が経ったある日、師匠が、
「シンジ、今度店に出て弾いてみろ!」
この日から、酒とタバコの匂いのする小さな店で、中学生の俺が見知らぬ奴とのセッションの日々を過ごしていく事になったんだ。
つづくー!
本編はここまでっ♪
🌸読んで頂きありがとうございました🍒
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浅井 神史(あさい しんじ)
脳内cv 神谷浩史
名前の由来は『浅井』は勿論ベンジーこと浅井健一、シンジはベンジーに寄せたかっただけ。神谷浩史でシンジ(笑)
第1話時点で高校2年生
ビジュアルイメージは『フルーツバスケット』の草摩 夾
https://images.app.goo.gl/8YEDCrH2HVqVjBNg9
7月7日生まれ かに座 AB型
身長 175cm
体重 60kg
使用楽器
Fender 1969 Stratocaster Sunburst/Rose
Fender Made in Japan
Traditional 70s Telecaster Custom (Black)
好きな食べ物 オムライス、焼き肉
嫌いな食べ物 辛い食べ物全般
尊敬するアーティスト スティービーレイヴォーン、ジミ・ヘンドリックス
基本的にギターが弾ければ機嫌が良く、食べるのが大好き、精神年齢低め。眼鏡好き♡
未来と悠真とバンドをやる事が全ての原動力になっている。
常に大人達と一緒に過ごして来たので、目上の人には礼儀正しい。←師匠に散々教え込まれた。
逆に同世代の人とはどう接して良いのかわからないでいる。
女の子には優しい。スキンシップ多め、オーバーリアクション。
英語を交えて喋るクセがついてしまった(笑)
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